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めったに表面化しない教師の体罰

2013.01.09.17:38

 昨日見たら、インターネットのニュースサイト(複数)では、この事件がトップに来ていました。

 例の大阪市立桜宮高校で、バスケ部の顧問から体罰を受けたキャプテンの2年男子生徒が三週間ほど前、自宅で自殺した問題です。この高校のバスケ部はインターハイ出場三回を誇る強豪だそうですが、顧問の47歳の教師はこの方面ではかなりの有名人で、部活で学校の名前を上げることは学校にとっては名誉なことなので、だからこそ学校はこれまでこの教師の体罰に目をつぶってきたのでしょう。
 以下はFNNの記事です。

【自宅で自殺しているのが見つかった大阪市の男子高校生が、教師からの体罰について、「きょうもかなり殴られた」などと、たび重なるSOSを発していたことがわかった。
 学校が実施したアンケートでも、同僚部員の大半が、体罰を見たり、自らも受けていたと回答した。 これまで見過ごされてきた体罰の闇が浮かび上がり始めている。
 バスケットボール部の顧問に、「自分ばかりたたかれる。たたかれる指導が嫌だ」という内容の手紙を残し、2012年12月23日に自殺した高校2年生、17歳の男子生徒。
 大阪市立桜宮高校のバスケットボール部でキャプテンを務めていたが、顧問の47歳の男性教諭から複数回体罰を受けており、自殺の前日も母親に対し、「きょうもかなり殴られた」と話していたという。
 この体罰をめぐり、新たな事実がわかった。
 8日夜、橋下 徹大阪市長は「最悪ですね。もう重大な、本当に過ちですよ、これは。子どもがそれだけ見聞きしてるのにね、先生がわからないなんて、どんな学校なんですか」と話した。
 男子生徒が自殺したあとに、学校がバスケットボール部の部員50人にアンケートを行ったところ、自殺した男子生徒に対する体罰を見た生徒が38人、自分自身に対する体罰があったと答えた生徒が21人、ほかの生徒に対する体罰を見たという生徒は48人にものぼった。
 一方、学校側はこの体罰を把握していなかった。
 桜宮高校の佐藤芳弘校長は「気付いてあげられなかったというのは、誠にもう、残念、悔やまれてなりません」などと話した。
 学校は9日、保護者に対し、説明会を開くほか、弁護士でつくる市の外部監察チームが、体罰と自殺の因果関係などについてくわしく調べる方針。】

 この校長の言葉、「気づいてあげられなかった」というよりは、気づきたくなかったのでしょう。嘘だろうと思われるので、他の記事には「この教諭については昨年度にも『体罰をする傾向がある』という情報が市教委に寄せられたが、調査をした学校は市教委に『体罰はなかった』と報告していた」(ZAKZAK)とあるからです。

 こういうのは今の日本の学校の多くに共通することで、毎度の「いじめ隠し」にも見られるとおり、こうした病的な体質がむしろ「ふつう」なのですが、学校だけでなく、部活の父母たちもグルになっていたのではないかと、僕はそんな疑いすらもっています。「あの先生のおかげで強くなっているのだから、そんな先生のことを悪く言うなんてとんでもない」みたいな暗黙の脅しが、部活生徒とその親たちにかかっていたのではありませんか?「悪いものは悪い」と、だからはっきり言えないのです。誰かが死んだり、大怪我したりするまでは。

 そしてこの教師は、まさか生徒が自殺してしまうなどとは、夢にも思わなかったのでしょう。そうした想像力の欠如は暴力にマヒした人間のつねだからです。遺体の口の中は切れたり、腫れたりしていたそうですが、そういうのは「軽い愛のムチ」などではありえないのです。

 別に部活でなくても、教師が生徒を気前よく(?)殴ることはいまだに珍しくないようで、何年も前の話ですが、僕も塾の生徒から、教師が体育館で一人の生徒に殴る蹴るの暴行を加えていたという目撃談を聞いたことがあります。おとなしい生徒がほとんどの平和な延岡の普通科高校で、何でそんなことが起こるのか? 僕はその教師の名前も記憶しています(これは例の「放射能」発言教師とはまた別。今度似たような話を聞いたら、実名を公表するから覚悟しとけよ)。それは他にも何かと問題のあった教師で、暴行の理由を生徒たちに聞いても彼らは首を傾げるだけでした。話を聞くだけで怒りがむらむらとこみ上げてきたので、もしも殴られたのが塾の生徒だったなら、僕はすぐに行動に移っていただろうと思います。僕がそのとき思ったのは、その生徒に代わって教師を倍返しでボコボコにしてやりたい、ということでした。もう長いこと使っていないせいで、手のこぶしの皮がむけたりすると痛いので、小型の木刀でも持参して、二、三週間病院にぶち込んでやれば気がすんだかも知れません(そういうことで逮捕されても、僕には大したことではありません。幸い相手に訴えられたことがないおかげで逮捕歴はありませんが、若い頃は何度か傲慢卑劣なふるまいをしている奴にお灸を据えてやったことがあるからです。全部先方が悪かったので、今も「反省」はしてませんが)。

 話を戻して、教師が生徒に暴力をふるってよいのは、その生徒が他の生徒に暴力をふるっていて、それをやめさせるためにやむなく実力行使に出るときぐらいでしょう。常習的に他の生徒にいじめや暴行を加えている生徒などは、やられる側にどんな痛みや屈辱感が生じるかわからせるために、大怪我をしない程度に一度コンテパンにしてやった方が「教育的」かも知れませんが、今どきの学校教師というやつは、どういうわけだか歯向かってきそうにない生徒ばかりえらんで殴っているようで、それも僕が教師の対生徒暴力に腹を立てる理由の一つなのです。「こいつが相手なら安全だ」というセコい計算をちゃんとしている。殴り合いをするのなら、強い奴とやれよ。それが男の美学というものです(ちなみに、僕は教師に暴行された経験はありません。自分が悪いくせに勝手に怒って殴りかかってきて、身をかわされてぶざまに転倒したゴリラ教師に高一のとき、一度出くわしたきりです。それでその教師は恥をかいただけでなく、クラスの生徒たちからの信頼を全面的に失ったのです)。

 一部には教師の体罰容認の意見がかなり根強くあります。「熱血教師の愛のムチ」幻想はまだ残っているのです。昔も今も、押しつけがましい「熱血教師」なるものをそもそも僕は好みませんが、何でそれが体罰と結びつくのでしょう? 僕にはそれが理解できません。教師に殴られて、それを「愛のムチ」として有難がる生徒が仮にいたとすれば、それは倒錯したマゾヒストでしかないでしょう。

 あらためて考えてみましょう。教師と生徒の間で、優越的地位を利用して教師が生徒に加える一方的な暴力に、どんな正当化の余地があるのか? その顧問教師は、自分も生徒の頃、教師にしばしば暴力をふるわれ、それは感謝の記憶となっていたのでしょうか? だから殴られる生徒も、それを感謝の念をもって受け入れるであろうと。
 わかっていることは、自殺した生徒は、そうは受け取らなかったということです。彼にはそれは苦痛と恐怖以外の何ものでもなかったので、自死をもっての他、それから逃れるすべはないと思い詰めたのです。ふつうの人は、「それなら自殺なんかせずに部活をやめればよかったんじゃないか」と考えるでしょうが、それはそれで、また一騒動覚悟しなければならず、大きな勇気がいるし、周りの目もあるということで、かわいそうなその子には、もうそんなあれこれの面倒に対処する気力は残っていなかったのでしょう。

 僕が体罰教師たちに言いたいことは、「むやみやたらと子供を殴るんじゃないよ、この馬鹿!」ということに尽きますが、一方には決して暴力など振るわず、立派に生徒を指導できる教師もいるわけなので、指導を暴力による脅しに頼らなければならないというのは、要は無能だからにすぎません。

 それを「愛のムチ」なんて美名で覆い隠さず、学校も父母たちも、はっきりけじめをつけるべきでしょう。教師も人間なので、ごく稀には激してつい手が出てしまうということもあるでしょうが、体罰教師というのはたいてい“常習犯”なのです。だからそんな言い逃れはできない。

 そんなに暴力をふるって強がりたいのなら、街のゴロツキ相手にでもそうすればいいので、それなら人々に感謝されることもあるかも知れません。教師という優越的地位を悪用して無抵抗な生徒を平気で殴るなど、刑務所に数年ぶち込んでたんと反省してもらうしかないのではありませんか。

 タイトルにもあるように、多くの体罰教師は「熱血指導」にかこつけて、露見することもなくまだまだ日本中にたくさんのさばっていることでしょう。その背景には学校と教育委員会の事なかれ主義と身内のかばい合い心理、子供を人質に取られた親の弱みがあるのです。また、コーチだの顧問だの先輩だのの「鉄拳制裁」に「ありがとうございます!」という言葉をもって応じる悪しきスポーツ界の古くさい“文化”もある(そういうのは変態心理だとしか、僕には思えないのですが)。

 子供のいじめも弱い者いじめなら、教師の暴力も弱い者いじめなのです。どちらも解決できない学校など、何用あって税金で運営する必要があるのだと僕は思いますが、こういううすら寒い事件報道がやむのは一体いつのことなのでしょうか。今の学校のこうした体質を改善するには抜本的な制度改革なしには無理ではないかと僕は考えるものですが、それについてはまた機会があれば書いてみたいと思います。
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