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選挙結果に思う

2012.12.17(16:16) 186

 昨夜は午前2時過ぎまで選挙速報を見ていましたが、政党別の議席数は大方の予想どおりだったものの、各選挙区の候補者別の得票数を見ていると、有権者は政党よりも個々の候補者を見て投票したらしいのがわかります。民主党の前回の“風”だけで当選したような存在感のない候補者や、有名でも評判の悪すぎる人(菅・仙谷・田中真紀子氏のような)は全部落ち、一方、今回“追い風”を受けていた自民党の新人などには比較的経歴も立派な人が多かったようなので、別に「自民党だから」というのではなかったようです(前回落選→奪還組は、周到な根回しをしてとりかかっていたのでしょう)。
 公明党もずいぶん増えたようですが、これは自民との選挙協力もさることながら、何より宗教団体である創価学会の組織票(政治団体などと違って“忠誠度”が違う)がモノを言ったのでしょう。今回の選挙の投票率は59.32%で、「戦後最低だった1996年の59.65%を下回った」(前回比では10%低い)そうなので、そういう低投票率の下では堅固な組織票をもつ政党は有利です(今の若い人には公明党は宗教政党ではなく「生活支援政党」だと思っている人もいるのかも知れませんが…)。

 ともあれ、自公は“復活”し、のみならず「圧勝」したので、テレビで何度も繰り返されていたように「参院で否決されても再議決で法案を成立させられる320議席を突破」したのです。
 それでも「憲法改正」などは当分ないでしょう。今はそれどころではないからです。安倍氏は「デフレ退治」を公言していますが、うまくインフレ方向に持っていけたとして、物価だけ上がって景気はよくならず、給料の方はむしろさらに目減りした、というのでは、たちまち支持を失うことになり、例のTPP(環太平洋経済連携協定)に関しても、経団連のボスの米倉という節操のないじさまは、早速「自民党の圧勝を歓迎する」とのコメントを発表して擦り寄り、「TPP交渉への参加は一刻の猶予も許されず、早期実現を果たしていただきたい」と付け加えたそうですが、地方の選挙区の自民党議員の多くは「熱烈反対」をアピールして票を集めたはずなので、そういうのも火種の一つです。
 要するに、問題山積の中の船出なので、自民党幹部に浮かれた様子がないのは、さすがにそのあたりよくわかっているからでしょう。自民党も相当に人材が払底しているので、まず組閣でミソをつけ、不評を買う中、民主党以上の「党内不一致」も露呈して、前回政権末期と同様のドタバタに落ち込み、セカンド・チャンスもふいにする恐れなしとしないので、そうなると「第三極」が再び勢いづくことになるわけです。

 「第三極」ついでに言うと、「未来」の嘉田新党は悲惨な結果に終わったようですが、あれはやはり、“小沢ファクター”が致命的な影響を及ぼしたのでしょう。皮肉にも、選挙区で当選したのは古くからの後援会組織(「妻の離縁状」騒ぎなどでガタが来ていたとはいえ)をもつ小沢氏だけで、前にも書きましたが、空気の読めない「新こども手当て」なんて嘘っぽい小沢公約など自慢げに出して信頼を損ねるからで、「卒原発」ならそれにフォーカスを絞って、具体的な道筋を示して訴えるということをまっとうにやらないからです。

 石原・橋下コンビの「維新」は、僕はあれを少しでも減らしたいと思ってここにもあれこれ戯文を書きましたが、50は行かないだろうと予想していたら、比例の票が思ったより多くて、54議席になったようです。そしてあの東国原も近畿の比例一位で出馬して、衆院議員サマになってしまった。前にも書いたように、仮に彼が宮崎の選挙区で出ていたら、惨敗は確実でした。九州ブロックの比例第一位にしていても、維新は比例の票を減らす結果になったでしょう。そこらへんやり方がうまかったわけで、これは地元の横浜で不評を買い放題の元横浜市長・中田宏(北陸ブロック)に関しても同様です(ちなみに、僕が前回「何であんな奴を…」と書いた、民主の比例名簿の先頭に来ていた人物とは、松本龍です。あんなのが比例で復活当選されたら困ると思った僕は、悩んで共産党に変えたのです。幸い共産党は一議席を確保し、沖縄の赤嶺政賢氏が比例当選を果たしました。ネットで名簿を見た有権者は、「何、あの松本龍?」と思わざるを得なかったでしょう。それは投票行動にも影響しただろうと、僕は思います)。

 古い政党で見る影もないのは、社民党(旧社会党)です。あの政党が「終わった」のは、村山富市が党首の頃、自民党と連立して、村山内閣ができたとき(1994)だと僕は思っています。それで「革新」政党としての背骨を折られ、自民党にうまくしてやられたわけですが、僕が子供の頃は社会党が野党第一党で、わが両親は社会主義者でもないのに、「自民党に勝手な真似をさせないように」とたいていは社会党に投票していました。そういう人たちは皆、あの時点で社会党を見捨ててしまったわけです(現党首の福島瑞穂は延岡出身で、延岡人らしく人はよさそうですが、かつて「おたかさんブーム」を惹き起した日本左翼版サッチャーの土井たか子みたいなインパクトはないので、党勢立て直しも困難なのでしょう。世界情勢も昔とは大きく変わってしまったし)。

 結局、この先政治はどうなるのか? 僕が一番気にしている景気のことではなく、国家の体制がどう変わっていくかですが、仮に次の参院選で自民党がまた勝ち、維新も票を伸ばせば、「改憲」へのお膳立てはすべて整ったことになるので、このまま世界情勢が不穏の様相を深めれば、どんなふうに「改憲」され、どこに連れて行かれるかわかったものではないと、不安を禁じえないのです。そういうことは今回、争点にはならなかったし、気にする人も少ないのでしょうが、有力な左派勢力は存在しない今、それは必ずしも杞憂とは言えないでしょう。僕は今後、何よりその点を注視したいと思っています。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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