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田中真紀子文相「大学不認可」問題に思う

2012.11.06(12:39) 176

 世の中には決して無事ではすまない人というのがいて、「またやらかしてくれましたね」と苦笑させられましたが、関係者にとっては笑いごとではないでしょう。

 そもそもなぜ野田総理は彼女を文科相に当てたのか? 中国との関係がこじれる中、彼女は日中国交樹立の立役者、田中角栄の娘なので、何かのときに閣僚に入れておけば役に立つこともあるかも知れないと考えたのではないかと、僕は勝手に想像していましたが、例によって例のごとく、とんでもないところで「リーダーシップ」を発揮して、野田政権に「最後の一撃」を与えることになってしまったようです。

 あらためて問題を整理しておくと、これは「田中真紀子文部科学相(68)が大学設置・学校法人審議会の答申を覆し、札幌保健医療大(札幌市)、秋田公立美術大(秋田市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の新設を不認可とした件」(産経記事より)で、「訴訟も辞さない」と大騒ぎになっている、あの問題のことです。

 今は大学も定員対受験者総数で言うと、ほぼ「全入」状態になっていて、私立の半分近くが「定員割れ」を起こしている状況です。かんたんに言えば、有名大学と無名大学に分けると、後者が軒並み定員割れというかたちで、地方都市の知名度の低い私立なんかは全部そうなっていると言えるでしょう。地方の国立大でも追加募集を行なう場合がある。
 そんな時代に、新しい大学なんていらない、認可は慎重にすべし、という理屈がまず一つあるのでしょうが、新設大学でも評判のいいところはあって、その代表例が秋田県の国際教養大なので、そういうのは自然淘汰に任せればいいのです。ロクに事情も知らない新任大臣がとやかく言うべき筋合いの話ではない。

 定員割れの大学でも、良心的ないい大学はあるのです。たとえば宮崎県には宮崎国際大というのがあります。久しい以前から「定員割れ」に悩んでいるのですが、教育がしっかりしていて、学生を伸ばしてくれるので「お買い得」だという記事がしばらく前に『プレジデント』に出ていました。その記事によれば、TOEICの対策をせずにTOEICの得点を大幅に伸ばし、教養教育にも力を入れているので、すぐれた全人教育になっているという話です。その特集記事には大分の立命館アジア太平洋大学も大きく取り上げられていて、こちらは偏差値が50はありますが、その国際教育が評価されて就職先がよく、「東大、一橋をしのぐ」と賞賛されていました。教職員による情けないセクハラ事件の頻発で全国的に有名になってしまった宮崎公立大なんてのもあって、時々塾の生徒にもあそこに行く女の子がいるので、「ヘンタイ教授にご用心」と、僕は冗談半分言ったりするのですが、何を基準に教職員を選定しているのかと、嘆かわしいかぎりです。

 ともかく色々な大学があって、延岡の高校生なんかは大学に関する情報が乏しく、高校教師にしてからが「国公立ならいい」とミソとクソの区別もなく安易に思い込んでいて、それでよく受験指導ができるなと驚くほどものを知らなかったりするので、僕はできるだけ生徒に大学の情報は与えるよう努めているのですが、受験生の側に大学選択の自由が広がったのはよいことで、「こういうことをやっていたのでは潰れてしまう」と、大学側も危機感を持つから、全体に昔より教育の質も上がってきているのではないでしょうか。そして駄目なところは潰れていく。それでいいのです。

 田中文相も、今頃は内心「しまった!」と思っていることでしょう。それなら撤回することです。プライドだけ振り回して、意味もないことで騒ぎを大きくするのは愚かなことだからです。石原慎太郎を「暴走老人」と呼んだのは正しいが、自分も「暴走オバハン」では洒落にもならないでしょう。

【追記】
 その後「撤回」されたようで、幸いでした。気づいた過ちは改めるに如かずです。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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