FC2ブログ

「東電処理」についての竹中平蔵教授の見解

2012.03.09.17:36

 小泉政権時代、竹中氏は金融担当大臣で、僕は小泉総理もろとも、この人を罵倒していました。当時はまだこのブログを開設していなかったので、読者はその悪口を何度も読まされる不快を免れたのです。

 しかし、このウォールストリートジャーナルのインタビュー記事に出ている、竹中教授の意見には「まさにそうあるべきだ」と感心させられました。実にスッキリ、明快な解決策です。この前僕は『メルトダウン』(大鹿靖明著 講談社)という本を読んで、東電という独占殿様企業の夜郎自大な太平楽ぶりと、そのKYさに感嘆を新たにしたのですが、こんなもの、絶対に残すべきではありません。きっちり責任を取らせないことには、子供の教育にも深刻な害悪を及ぼすでしょう。これは誇張ではありません。でないと、けじめも何も全くない社会になって、日本社会自体がそのまま「メルトダウン」してしまうでしょう。“道徳不在社会”を子供や若者に強烈に印象づけることになって、それは放射能汚染に劣らぬ深刻な害毒を精神面でも与えることになるからです。志操低下著しい今の経産省のお役人や政治家先生たちは、そういうことがわかっているのでしょうか。わかっていないのなら、あらためてご認識いただきたいと思います。

 最後にURLを付けておくので、後で全文をお読みいただくとして、少し引用させてもらいます。

【「実質的」国有化という言葉がよく使われるが、これはおかしい。名目的に、完全な国有化が必要だ。要はこのような問題を起こしてしまったが、電力を供給するという機能は公的に必要だから、国が一時、それを肩代わりしましょう、ということだ。国有化している間、つまり議決権を100%持っている間に経営者に責任を取らせ、新しい経営者を入れ、必要なリストラを全部行う。その上で、それを民間に売ればいい。ストラクチャーは非常に簡単だと思う。まさに足利銀行の時にそうした。
(現在のプロセスは)東京電力という会社を残すためのものだ。国民からみれば、電力会社は必要だが、それが東京電力という会社である必要はまったくない。別の会社でもいい。その機能を一時国が担って、きちっとした形にして民間に売ればいい。こんな問題を起こしたのに、公的資金で生き残るというのでは国民が納得しない。】

 正論です。そうして「全面的に責任を負っている国が人選をして、(登用した人材が)ダメだったらクビにして、いい人材が出てくるまでそれを続ける」というのもわかりやすくていいし、「売却の際には、発電の部分と送電の部分を分ける必要がある。送電については規模の経済性があるから、これは1社でやる方がいい。これは公的な機能を持った民間会社になる。しかし発電に関しては規模の経済性はない。むしろできるだけ競争してもらう方がいい。それを商社が買っても関西電力が買っても、どこが買ってもいい。実際、足利銀行は野村証券を中心とするグループが買った。そういう形で、きれいにしてできるだけ高く売ればいい」なんてのも、明確かつ具体的で、説得力があります(経産省を“追放”された古賀茂明氏の案も、これとよく似たものだったのではないかと思いますが…)。

 大体において、「『実質的』国有化」なんて言葉そのものが人を馬鹿にしたふざけた話なので、竹中教授の言うように、ここは「名目」からはっきりさせなければなりません。「実質」と「名目」を一致させないのは、かつて孔子も言ったように「世の乱れの元」なのです。そういうことばかりやってきたから、今の日本はこんな腐った社会になった。この期に及んでまだそんなごまかしをやるというのは、経産相のお役人たちは東電を生き延びさせ、恩を売っておいて、後で天下りやら何やらでそれを“回収”しようという魂胆なのでしょう。国民不在の亡国官僚のやることとしか言いようがありません。民主党の面々は東電・銀行・官僚の連合軍と戦って、理非を明確にすべきです。そしたら政権支持率も上がるはずで、国民はそれを見ているのだということをお忘れなく。

 何にせよ、竹中教授のこの簡にして要を得た提言は全国民必読のよいものだと、僕は思いました。また別のことでは悪口を言うかも知れませんが、ここは竹中教授を賞賛したいと思います。
 それでは、記事全文をお読み下さい。 

【インタビュー】東電処理は足利銀行モデルに、完全国有化が必要=竹中平蔵慶大教授
スポンサーサイト



プロフィール

大野龍一

Author:大野龍一

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR