来るときは来る

2011.09.20.20:12

 沖縄周辺で停滞して、ぐるりと一回転した台風15号(弱まるどころか、逆にパワーアップしている)が北上を開始し、僕のいる延岡でも風雨が強くなりました。延岡は河川が多いのですが、さっきも何度か祝子川のダムの放流らしきサイレン音が鳴っていました。北川も危険水位に達し、大瀬川も大増水しているようです。本日は塾も休みにしました。このあたりでは風よりも雨の方が心配で、川が氾濫したり、大規模な土砂崩れが起きねばいいがと思っています。これまでも、雨が一週間以上断続的に降り続いていたのです。

 先の台風12号に伴う桁外れの集中豪雨で大被害を受けた紀伊半島(和歌山県だけでも被害総額は133億に達する)は、台風の予想進路上にあって、直撃を食らいかねないので、大丈夫かいなとまたぞろ心配になります。三日前の日曜夕方、やっと実家と電話が通じて、一安心と思ったら、次はこれです。前回と同じく、前線と連動して、台風本体と離れたところでも大雨が降るのがやっかいなところです。

 今年は東北大震災による大津波被害、よけいな福島原発事故を始めとして、つくづく災害の当たり年です。あの大震災の直前、僕は過去に経験したことのないような不吉な夢(親しい人にしかそれは話しませんでしたが)を見て、以来いくらか迷信深くなってしまったのですが、僕の中の「いやな感じ」は払拭されていないので、まだ続きがあるのではないかと浮かない気分です。

 全体に不安心理は高まっているらしく、先週も塾に来た生徒たちが「ここは地震が来ても大丈夫ですか?」と聞いていました。頑丈な鉄筋コンクリートの建物だから大方大丈夫だろうと答えたのですが、何でも、その日に地震が来るというメールが出回っていたそうです。自分の直観は信じても、その手の「予言」は信じない僕は笑ってしまいましたが、東北の大災害に、この前の豪雨被害、今回の台風でもまたかなりの被害が出るでしょうから、この経済の右肩下がりのなか、国や自治体の借金はさらに増え、増税は続き、そこに大都市を襲う直下型地震でも来れば、わが国は経済的にも奈落の底に沈むということになりかねません。

 これは日本一国だけの問題ではない。ギリシャのデフォルト(国家破産)は時間の問題だと見られていて、そうなるとEU全体が大打撃を受け、財政赤字を減らそうと必死のアメリカ(しかし、共和党はオバマの富裕層や企業への増税案に頑強に反対している)も、それを助けるどころか、自分が世界恐慌の引き金を引きかねない有様だし、日本に代わってGDP世界第二位になった中国も、それでなくとも内部に深刻な矛盾を抱えているのが、連動しておかしくなるのは必至でしょう。“グローバル”経済とやらで、かつてないほど相互依存を強めている世界経済は、ドミノ倒しになって、そこに各地で異常気象による天変地異が相次ぐとなれば、それへの十分な手当てもままならず、大混乱のうちに今の文明は崩壊へと突き進むことになる。

 それは最悪のシナリオですが、かなり現実味のあるシナリオです。昨夜テレビで、細野原発事故担当相が「ウィーンで開幕した国際原子力機関(IAEA)の年次総会で演説し、東京電力福島第1原発事故の収束の目安となる原子炉の冷温停止について『年内をめどに達成すべく取り組む』と決意を述べ、従来『来年1月中旬まで』としていた『ステップ2』完了の前倒しを表明した」(中国新聞より)という例のニュースを何度もやっていました。

 あたかも収束が近づいているかのような口ぶりですが、何たるノーテンキな話かと、僕は驚きました。最近原発事故について書かなくなりましたが、それは僕ごときには書くことがないと思っているからで、前にもここで紹介した「小出裕章(京大助教)非公式まとめ」という親切なサイトを、隔日くらいでチェックしています。別に関心を失ったわけではないので、そこで得ている知見からすると、「原子炉の冷温停止」というのは、原子炉内部にしっかり核燃料が保持されている場合の話なのでしょう? メルトダウン、メルトスルーしているというなら、大方は原子炉の下(格納容器)に落っこちてしまっているということもありうるわけです。その場合、原子炉内部が100度か80度以下になったと言っても、下に溶け落ちた核燃料がその後どうなっているかはわからないわけで、解決とは程遠い。大体、1号機以外は、今も中がどうなっているのか、全くわからないままなのだろうから、ほとんどナンセンスな「発表」をしているということになるのではありませんか? 元々が「原発推進機関」であるIAEAは、そういうことは見て見ぬフリをして、「なるほど、よく頑張ってるね」ということで、人々の「原発こわい」心理を冷却すべく、共同で猿芝居を演じているみたいに見えるのです。

 今の日本、国際社会はもう駄目だなと僕が思うのは、こういう生ぬるいというか、その場しのぎのゴマカシを平気で並べ立てる体質を見てのことです。いたるところでこれと類似のことをやっているのです。糊塗につぐ糊塗の連続です。

 これはもう、いっぺんクラッシュするところまで行くしかないな…。僕はそのように見ています。「2012年世界滅亡」という古代マヤ予言、というより、それの勝手な解釈を僕は信じませんが(カレンダーがそこで終わっていると言っても、それは続きを計算する前にマヤ文明そのものが滅亡してしまった、ということもありそうな話です)、今が大きな時代の変わり目であることはたぶんたしかで、あんまり賢くない人間は、最後の最後まで“希望的観測”にしがみついて、現実に直面することを怠るのです(アセンションなんてオカルト的たわごともその一部です)。ちょうど、この前の原発事故を、「起きたら大変」だから「決して起きない」ことにしてしまったのと同じで。

 しかし、起きるときは起きる。経済的な行き詰まりと自然の大災害やら深刻な人為事故やらがいちどきに重なって、安易な「見通し」が木っ端微塵に打ち砕かれるまで、それまでしがみついていたあれこれをすっかり失うまで、人間は変わらないのかも知れません。

 ことに、日本という国はいつも“外圧”頼みです。

 いい加減、僕らは「最悪の事態」を覚悟しておいた方がいいのかも知れません。その方がハラが据わって、かえって“安心”でしょう。そうなったらなったで、初心に返って、また一から出直せばいいのだと腹をくくるのです。
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