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そのうち『闇の利権政治家・菅義偉の正体』という本が出る?

2020.10.31(13:37) 769

 ボロが出るのが異常に早いな、という印象です。例の学術会議新会員任命拒否事件では、公安警察の親玉みたいなじさまに「選定」をやらせて、気に入らない学者を排除させ、「戦前戦中の特高を復活させたいのだろうな…」と思わせてくれましたが、その後の「説明」なるものは支離滅裂な後付けの屁理屈ばかりで、要するにこの男、まともな論理なんかは全く通用しない「闇の政治家」そのものだなと警戒心を呼び覚ましたのですが、次の記事などは利権政治屋としての彼の体質をよく物語るもので、「秋田のイチゴ農家の長男」がどうやって一国の総理の地位に辿り着くまでのし上がってきたのか、その一端を示すていの事件です。安倍の加計学園問題などでは、ボンボンの安倍の場合、お友達の利便を図るためにやっただけだと言えます(もちろん、そんなものは好ましくない)が、「叩き上げ」の菅の場合には自分のカネの問題など、そこにもっとドロドロしたものがからんでいる。

「菅総理」密接業者が不可解な公有地取引 異例の好条件、交渉では総理の名も

 しばらく前にはこういう記事もありました。

菅首相、25年前に味をしめた「人事介入」横浜市の職員が告発

「25年ほど前、菅さんは横浜市で “影の市長” と呼ばれていました。市職員人事への介入で、市政に絶大な影響力を持っていたからです」(A氏)

 という、一介の市議にすぎない男がどうやってそれほどの権力を握ったかの内幕が書かれていますが、彼はこういうやり方で権力を効果的に利用する手口を学んだのでしょう。市議時代は小此木・衆院議員という虎の威を借り、官房長官時代は安倍総理の影としてその最高権力をうまく利用しつつ。要するに、彼は決して「地道な実務政治家」としてのコツコツした努力の積み重ねで出世の階段を上ったわけではないのです。家族もその正体を知らないような暗い顔がこの男にはある。それはコワモテというよりは卑劣と呼ぶべき性質のものですが、上の新潮の記事にもあるように、そのプロセスでは利権政治家としての性格も強めたのです。

 同じ新潮のサイトには、次のような記事もあって、これもすこぶる興味深いものです。

「菅総理」を抱き込む怪しい「政商」の正体 特捜部のターゲットになったことも

 彼は日本版カジノや国際金融センターなるものの構想に前のめりになっていますが、そういうのは「利権の巣窟」となりやすいものなので、今後日本の有権者は、あれやこれやの「経済活性化案」が持ち出されるとき、その表向きの理由づけだけでなく、彼の周囲にどんな政商や怪しげな企業家がいて、彼らが何を目論んでいるのか、注視することが必要でしょう(例の学者というよりは政商の竹中平蔵もブレーンとして復活した)。そういうとき、茶坊主の御用学者たちは菅政権擁護のために、今回の任命拒否事件のときと同じように、また笑える強弁をしてくれるでしょうが(維新の面々とも菅総理は仲良しで、味方のかなり低級な御用文化人――高橋洋一、岸博幸、長谷川幸洋といった面々――まで共通しています)。

 僕も「悪霊ウォッチング」を楽しみたいと思います。

 ついでももう一つ付け加えておくと、権力というのは、それがたとえ従業員数十人程度の事業所の所長のようなものでも、自然に下からの忖度が働く(ことに東アジア的社会の場合)ので、そういうものに潔癖な人はそうならないように防衛策を講じて所属員が自立性を失わないよう仕向けますが、それに全く抵抗がなく、むしろそれを進んで強化しようとするタイプの人間がかなりの数いて、これは昔の田舎の権力者に多かったタイプですが、彼らは「忖度しないと容赦しない」というところを見せて、小独裁者になりたがります。これはワンマンタイプとはまた違うので、有能な個人主義的なコワモテのワンマンには、率直な異見表明を見かけによらず好む人が多く、システムを独裁に好都合なように変えたりもしませんが、この手の「田舎の前近代的な地域ボス」的メンタリティの持主は、子供が悪い遊びを覚えるのと同じで、無反省に権力に溺れ、それに固執し、そのコミュニティを病的に閉鎖的な、風通しの悪いものにしてしまいます。そして本人が悪い意味で「人変わり」してしまうので、これは個としての自立ができていないタイプ(だから自分が配下のときはボスの手足となることに何の抵抗も感じない)に多く、自分が中心となる集団を形成して、それに従わない人間に圧力をかけようとします。菅義偉という政治家は典型的なこのタイプであるように見えるので、田舎の町議会や自治会のボスならまだしも、この手の人間を一国の政治指導者にしてしまうのは非常に危険なことです。国民が早くそのことに気づいてくれればいいのですが。



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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


2020年10月
  1. そのうち『闇の利権政治家・菅義偉の正体』という本が出る?(10/31)
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