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武漢コロナと安倍コロナ、どっちがこわいか?

2020.03.31(14:36) 705

 政権政治家にとって、こうした伝染病の類は、対応を間違えて拡大の一途になれば自らの命取りになりますが、反面、スキャンダルまみれになっているときには、国民の関心をそこから逸らせて、蔓延の阻止に成功すれば支持率アップにつながり、他のことを忘れさせることができるという大きなメリットがあります。

 むろん、有権者の賢明な2~3割はそんなことにはごまかされないでしょうが、賢明ならざる7~8割を騙すことができれば、民主政体の国家では、政権は安泰となって、高い支持率を盾に、批判勢力を抑え込むことに成功するわけです。彼らはそれ以前に存在した数々の問題も、ドサクサまぎれ「なかった」ことにしようと目論む。

 今回のこの新型コロナウイルス騒動は経済にも深刻な影響を及ぼし、「リーマン・ショックを楽に超える」と言っている人もいます。その影響を最小限度に抑えることができれば、賞讃が相次ぎ、他の政権ではこうはいかなかったということになって、もはやその醜悪な裏面をとやかく言うようなことは、「狭量で非現実的な」一部の不平分子のやることでしかないということにされて、むしろそちらが非難されるということになってしまうでしょう。そういうのは「大人の対応」ではないということになって、かえって嘲笑されることになるわけです。

 今の安倍政権にとって最も望ましいのは、そういう展開に持ち込むことです。だから日銀は(たとえそれが最終的には国民資産を食い潰し、国家の信用を深刻に低下させることになろうとも)必死に株価を買い支えなければならず、東京オリンピックは中止ではなく、1年延期(その頃ならまだ安倍政権は続いている)にとどめなければならず、コロナウイルスは5月の連休明け頃には「封じ込めに成功した」と言えるような状態になることが望ましいのです。そうなれば、このコロナ禍は安倍政権にとっては「神風」に等しかったことになる。それがうまく行けば、他の不都合なことはすべてチャラにできる、つまり、「なかったのと同じ」になるだろうと期待できるのです。

 野党やマスコミにどんなに追及されようとも、安倍はそれを手柄顔に、「こういうことは『悪夢のような民主党政権』時代には決してできなかったことだ」と胸を張る。仮にこれで「コロナ倒産」が続出して止まらないような事態になれば、「悪夢のような民主党政権」時代と同じか、もっと悪いということになってしまうので、何としてもそれは避けねばならない(そうなったらなったで、「今回はやむを得なかった」のだという言い訳を考えるでしょうが)。「お友達政治」のヤンキー政治家の彼にとっては、国民を守るためではなくて、自分を守るためにこそ「コロナと戦う」ことが必要なのです。さもなければ、「史上最低のファーストレディ」の評価が確立しかけている愛妻も守れない。「もう大丈夫だろう」と安心しかけていたところに出現した「赤木文書」のせいで、森友事件は再びむし返され、アッキーが法廷や国会に証人喚問されるという「最悪の事態」すら懸念されているからです。それはジコチューの彼にとっては、コロナで国民が10万人死ぬことより深刻な「惨事」なのです。

 ちなみに、この件に関しては、民事裁判が起こされるだけでなく、刑事事件として新たに立件することも可能になり、ぜひそうすべきだという、次のような記事も出ています。

不起訴後も新証拠あれば捜査~森友公文書改ざん、大阪地検「再起」せよ

 これは経緯のおさらいもしてくれる親切、周到な記事なので、熟読に値します。経緯の部分や、後半の刑事起訴の要件の部分は端折って、問題の焦点の箇所だけ引用すると、

 財務省の調査報告書では、安倍首相の「関与あれば辞任」答弁を応接録廃棄と公文書改ざんの起点と位置付けつつ、応接録廃棄と公文書改ざんの主たる目的は「国会審議において森友学園案件が大きく取り上げられる中で、さらなる質問につながり得る材料を極力少なくすること」と認定した。

 しかし、改ざんの目的はそのレベルにとどまるのだろうか。昭恵夫人に関し、公文書には「夫人からは『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と森友学園側から説明を受けたことや、森友学園の教育方針に感涙したというインターネットの記事が掲載されたこと、森友学園を視察したことなど計5カ所の記述があった。それが「関与あれば辞任」の答弁後、全て削除されたことを見れば、改ざんには首相答弁を受けた「昭恵夫人隠し」という大きな目的があったのではないか。なお調査報告書には、近畿財務局の職員が改ざんに抵抗したことが何度も書かれていた。

 一方、抵抗した近畿財務局職員の一人だった赤木さんはパソコンに残した手記で、公文書改ざんは「すべて、佐川理財局長の指示です。局長の指示の内容は、野党に資料を示した際、学園に厚遇したと取られる疑いの箇所はすべて修正するよう指示があったと聞きました」と書いている。応接録廃棄も「細かい内容が記されていますので、財務省が学園に特別の厚遇を図ったと思われる、あるいはそのように誤解を与えることを避けるために、当時の佐川局長が判断したものと思われます」という見方をしている。

 また手記には、17年2月26日の日曜日、上司が理財局から指示された作業が多いので、手伝ってほしいとして、役所に出勤するよう求めたことなど、財務省の調査報告書に書かれた経緯と符合する内容が記されていた。赤木さんは「パワハラで有名な佐川局長の指示には誰も背けないのです」「うそにうそを塗り重ねるという、通常ではあり得ない対応を本省(佐川)は引き起こしたのです」と指摘。刑事罰、懲戒処分を受けるべき者として、佐川、中尾、中村、冨安、田村各氏らの名前を挙げていた。

 その上で「抵抗したとはいえ関わった者としての責任をどう取るか、ずっと考えてきました。事実を、公的な場所でしっかりと説明することができません。今の健康状態と体力ではこの方法をとるしかありませんでした。(55才の春を迎えることができないはかなさと怖さ)」「家族(もっとも大切な家内)を泣かせ、彼女の人生を破壊させたのは、本省理財局です。私の大好きな義母さん、謝っても、気が狂うほどの怖さと、辛(つら)さこんな人生って何?」と結んでいる。


 これに安倍政権はどう応じたか?

 赤木さんの手記公表後、安倍首相は国会で「財務省で徹底的に調査した。検察当局も捜査した」として再調査を拒否。「手記には、私の発言(関与あれば辞任)がきっかけだったという記述はない」と言い募った。赤木さんの妻はたまらず「(首相と麻生太郎財務相の)2人は調査される側で、再調査しないと発言する立場ではない」と反論した。

 昭恵夫人については、週刊ポスト4月10日号が「職員(赤木さん)の遺書が公になり、改めて疑惑の渦中にある昭恵夫人が、よりにもよって芸能人らと〝桜を見る会〟を楽しんでいた―」として、桜を背に大勢と記念撮影している写真を掲載した。


 ということなのです。能天気なアッキーは、それが深刻な「総理夫人の権力乱用」であるという自覚は何もなく、何度も講演を依頼されたり、新設小学校の名誉校長に推戴されるなど、チヤホヤされていい気になったまま、森友学園の違法な用地買収の後押しをした。アホ亭主の安倍は、「私や妻が関係していたとなれば、総理も国会議員も辞める」と言い放った。すべてはそこから始まったのです。ヒラメパワハラ官僚の佐川の罪は重いが、こんなクソみたいな女房を守るために一国の政治指導者がたわけた嘘を言い、「私の契約相手は国民」と言う誠実な公務員に公文書の改ざんを強いて、自殺にまで追いつめた。善悪が完全に逆転しているので、これはモラルハザードの最たるものでしょう。

「そんな軽薄で頭の悪い女を嫁にもらうな!」と怒鳴りつけたくなりますが、こうなってくると安倍としては、不法に定年を延長した黒川検事長にぜひ一働きしてもらわねばならないところで、こういう時のために“政権の守護神”を残そうとしたのでしょうが、「検察権の独立」を官邸の横槍で害されて怒っている検事たちは、もはや従おうとはしないでしょう。大体、これはすでに有名になりすぎた。だからおかしな圧力をかけようとすると、マスコミにそれをすっぱ抜かれてかえって非難の声を高めることになってしまう恐れがある。

「あんな奥さんで安倍さんがかわいそう」という一部の声がありますが、それは過大評価というもので、亭主も亭主なのは、次のような記事を見てもよくわかるのです。

・コロナの陰で、安倍官邸「やり放題の官僚人事」その厚遇ぶりに呆れる

 たしかに呆れますが、似たようなことを安倍はこれまでずっとやってきたわけです。女房のアッキーと同じで、それもスケールはずっと大きい。頻度と来れば比較にならないので、古くは法制庁長官やNHK会長、経営委員のお友達人事などもそうです。あの加計学園の件も同じ。公選法違反で今取り調べを受けている、河井案里参院議員なども、安倍のお気に入りで、「後日、自民党本部が河井陣営に通常の10倍となる1億5000万円の選挙資金を支給していたことが発覚。自民党内から『とんでもないえこひいき』(閣僚経験者)との批判が噴出していた」(東洋経済オンラインの泉宏氏の記事より)のです。

「公私混同の化け物」――それが安倍晋三という男なのです。女房のアッキーはそれを真似ただけだと言っても差し支えない。こういう亭主が説教しても、「効果ゼロ」なのはわかりきったことです。全くの「似た者夫婦」なので、仲がよいのもむべなるかな、です。

「かわいそう」なのは国民であり、中でも最大の被害者は真面目な公務員たち、そのとんでもないとばっちりを食って自殺に追い込まれた赤木さんとその遺族だということになるでしょう。安倍に「同情の余地」など全くない。そこをカン違いしてはなりません。

 今はコロナ一色ですが、この騒動が一段落したら、安倍は退陣して、もう少しマシな、公私のけじめのついた政権と交代してもらわないと、「安倍コロナ」が行政やその他の枢要組織に蔓延して、腐敗は際限のないものとなり、日本社会は内部崩壊に追い込まれてしまうでしょう。今度の総選挙の前に「安倍では大敗必至」ということを自民党にわからせないと駄目です。問題はテレビのワイドショーレベルの政治知識しかなく、「安倍さんがかわいそう」なんておセンチなことを言っている有権者層です。それが全体の7~8割にのぼれば、安倍政権は安泰であり、今の日本の政治は変わらないでしょう。武漢コロナより安倍コロナの方がよっぽどこわいと僕は思いますが、そういう認識はまだ広く共有されてはいないのです。


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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


2020年03月
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