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何たる大騒ぎ!

2020.02.28(17:34) 693

 昨夜帰宅してパソコンをつけたとき、このニュースを見てかなりびっくりしました。次の記事は日経のものです。

全国の小中高、3月2日から臨時休校要請 首相

 首相は「子どもたちの健康、安全を第一に考え、多くの子どもたちや教員が日常的に長時間集まることによる感染リスクにあらかじめ備える」と述べた。「全国すべての小学校、中学校、高等学校、特別支援学校について3月2日から春休みまで臨時休業を行うよう要請する」と語った。幼稚園や保育所、学童保育は対象から外した。

 これ、寝耳に水で、全国の学校関係者は大慌てでしょう(感染者がいない県の方がまだ多いのに)。昨日、塾の高1に聞いたら、高校の卒業式は3年生とその保護者だけで行うことがすでに決まっているという話で、この日も職員会議で授業は早く終わったと言っていました。そこに、新たに「臨時休校要請」が加わったわけです。

 子供たちは大喜びかもしれません。外で遊び回っていると怒られるかもしれませんが、休みが増えるのはウェルカムで、僕はわが子が小学生の頃、台風で学校が臨時休校になるようテルテル坊主ならぬ、目のとがった「雨降らし」「雨鬼」「風鬼」(いずれも本人の命名)というのを作って、母親の表現によれば、「南洋の土人みたく」儀式を執り行なっていたという話を思い出しました。彼が学校で好きなのは、「給食と昼休みと体育」だけで、他は「全部いらない」とつね日頃言っていたからです。竜巻が発生して近くに大きな被害をもたらしたときは、なぜそれが自分が通う学校の建物だけを狙い撃ちしなかったのか、残念でならなかったようです。

 これ、うまくすれば、「春休みまで臨時休業」ということは、そのまま春休みに突入ということなので、一ヶ月あまり実質的な春休みがあることになるわけです。ウラー! 勉強嫌いの子供にとってはパラダイスが突如出現するのです。新型コロナウイルスのおかげで。

 もちろん、オトナたちはこれを「深刻に受け止め」ているわけで、学校の方としても、カリキュラム上、授業のやり残しが増えて、困ったことになると考えているでしょう。共働き家庭(今はそちらの方が多い)では、そのせいで仕事を休まなければならなくなるから困ると言う人たちもいる。しかし、小学生ぐらいだと、子供の方は単純に喜んでいるというのが実情なのではないでしょうか。

 習近平に忖度して、中国人の入国を早く禁止しなかったことや、「感染拡大機」と化して世界中から激しい非難を浴びたあのクルーズ船の一件で、安倍首相は焦ったのでしょう。結果としてどちらも国内感染の拡大に「貢献」してしまったからです。それでなくとも「桜を見る会」の問題や、黒川検事長定年不正延長問題で追及を受け、消費税値上げによる経済の深刻な落ち込みもあって、旗色が悪くなっている。そこに来て、この問題で「危機管理がなっていない!」(かつて安倍は民主党の原発事故対応をエラそうに批判していたのですが)と連日非難を浴びて、このままでは東京オリンピック開催さえ危ういと言われるようになっているのです。また、今頃になって、森友学園問題で次のような痛すぎる記事も出る始末です。

籠池泰典が初めて明かした「100万円事件」の真相と「昭恵さん」のこと

 当時からそうだろうと言われていましたが、これがあのお粗末な事件の「真相」だったのはたしかでしょう(健全な民主主義社会なら、あれだけで政権は倒れていた)。ほとんど絶体絶命と言えるので、直近の世論調査では時事・共同通信いずれもで不支持が支持を上回りましたが、今度調べたら支持率はさらに下がっているでしょう。何とかしなければならないというので、自分が「子どもたちの健康、安全」をいかに重要視しているかをアピールするために、いくらか大げさすぎると思えるこの「一斉休校」政策を打ち出したのです。小中学生たちに選挙権がないのは残念!

 コンサートや各種イベントの類も中止、プロ野球のオープン戦も無観客試合ということで、ひたすら暖かくなって自然に終息するのを待って、何とか東京オリンピックが中止またはロンドン代替開催になるのだけは避けたいというのがホンネなのでしょう。高校入試や大学入試(国立後期はこれから)は影響が大きすぎるので中止しろとは言えないが、今できるパフォーマンスとしては学校の一斉休校ぐらいしかない。そう考えたのでしょう。

 今現在で国内にどれだけ感染者がいるかは不明です。自分で疑わしいと思った人たちが検査をすぐ受けられるようなシステムもできていない。作る気もなさそうです。だから広がってしまうだろうから、今度は先手を打って全部の学校を休みにしておけば、学校内感染が起きてバッシングされるのだけは避けられる。その程度の話なのだろうと思います。総合的な封じ込め戦略の一部だとか、そういうものではない。そんなものは何もないのです。

 すでに株価は暴落していますが、今まで安倍政権というのは薄気味が悪いほど運に助けられていたのが、今度は逆の展開になっているわけです(素人なのでよく知りませんが、今は年金基金の相当額を株に注ぎ込んでいるので含み損も拡大しているでしょう)。どうすればいいのかわからなくなって、安倍官邸はパニックになりかけているのではないかと思います。マスクや消毒用アルコールが売れるというだけで、経済の冷え込み要因が無数に重なっている。弱り目に祟り目のウイルス襲来だったのです。

 中国も傍迷惑なものをばらまいてくれたものです(「人工ウイルス説」を僕はまだ疑っています)が、乱暴な強権独裁体制が幸いして、中国が真っ先に「終息宣言」を出すようになるかもしれません。韓国も感染者が2千人を突破したそうですが、一体日本にどれぐらい感染者がいるのかわからないというのは困りもので、今現在の感染者の場合も、多くが感染ルート不明というのはどうしてなのか。だから恐怖心が広がるのです。

 学校だけ休校にしても、親が会社や満員電車の通勤途中でウイルスを拾ってくれば子供たちも感染は免れないので、政治パフォーマンスの色合い濃厚な今回の措置ですが、目には見えない微細なウイルス一つでキリキリ舞いさせられる。この先、熱帯雨林の奥深くや、氷に閉ざされたところに潜んでいて外に出なかった未知の強力なウイルスが、森林消滅や温暖化の進展で人間世界に侵入してくるようなことがあれば、たちまちにしてこの「グローバル化したIT文明」は崩壊の危機にさらされるでしょう。何十億年も生きてきた「最も小さな生物」に、「万物の霊長」を自任する、地球史的見地からすれば「成り上がり者」にすぎないヒトという種はしてやられるのです。人間の見地からすればそのようなウイルスは「悪」ですが、大自然の見地からすれば、調子に乗りすぎて地球上の他の生物を虐待してやまない人間こそが「悪」なので、善悪は逆転する。

 パンデミックになったとしても、今回のウイルスによる死亡率はインフルエンザを少し上回る程度でしかないようなので、それ自体に大騒ぎするのではなく、これを教訓として、僕ら人類は今少し行いを慎んだ方がいいという警告と受け止めるべきなのかもしれません。中国政府は今回の問題を契機に、野生動物を勝手に食べる中国人の「野蛮な習慣」を禁止する方針を打ち出したそうですが、中間宿主の候補の一つに挙げられているセンザンコウなんて、絶滅危惧種の最たるもので、自然的見地からすれば、それを珍味だと喜んで食っているアホな連中よりはるかに貴重な存在です。前に塾でこの話をしたら、生徒たちは笑いましたが、真面目にそうなので、愚かしい人間中心主義ゆえにそれがわからなくなっているだけなのです。

 安倍政権がどうなろうと僕の知ったことではありませんが、センザンコウにしても、キクガシラコウモリにしても、このまま行けば絶滅必至の貴重な動物なので、彼らが絶滅しないよう、僕は願っています。

 目下、それより僕に気になるのは、国立前期試験の結果なのですが、このまま行けば今年は大学の入学式がどうなるのかも怪しいので、無責任な新テスト導入(あれも安倍政権の責任が大きい)に振り回された世代でもあるし、何だか彼らがかわいそうです。


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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


2020年02月
  1. 何たる大騒ぎ!(02/28)
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