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「狂気の韓国」をつくる「病的な歴史教育」

2019.08.26(16:53) 649

 そこが改まらないと、韓国との友好関係をつくることは難しいだろうという話は前にも書きましたが、ネットに関連記事が二本出ているので、それをご紹介しておきます。最近の文政権の言うことを聞いていると、平気で嘘はつくわ(最近の例では、GSOMIA破棄は「米国の理解を得ている」というのがその一つです。アメリカに抗議されてあっさり前言を翻しましたが)、意味不明のヒステリックな恫喝はするわで、北朝鮮“以下”ですが、文在寅の「歴史認識」なるものは彼の頭の中にある「歴史ファンタジー」に他ならず、それを国内外に「共有」することを強いるのだから、相手をさせられる方はたまったものではない。彼が権力を握っているかぎり、「日韓の和解」などというものは100%ありえないと言うべきでしょう。

韓国大統領、教科書から「黒歴史」消してさらなる親日潰し(8.24)

 具体例の箇所を引用すると、

【文在寅政権成立後の教科書の記述の変化】※小学6年、中学校の教科書をもとに本誌が作成

●建国の父・李承晩初代大統領を否定
・「大韓民国樹立」→「大韓民国政府樹立」
・「(1948年に韓国が国連で)朝鮮半島における唯一の合法政府として承認」→削除

●高度経済成長を成し遂げた朴正煕政権を否定
・「維新体制」→「維新独裁」
・「農村を発達させるセマウル運動を展開した」→削除
・「漢江の奇跡」→削除
 小学6年前期・2009年改訂版の社会科の教科書では「漢江の奇跡」について、「韓国の輝かしい経済発展をドイツのライン川の奇跡にたとえて作られた言葉」と解説。
 加えて、「この期間に経済が急速に成長した韓国は、世界の多くの国から漢江の奇跡を成し遂げた国といわれた」と誇っていたが、2019年、教科書からこの部分は削除された

●従軍慰安婦問題でより厳しく!
・「若い女性たちが、日本軍から多くの苦痛を受けた」
→「韓国の女性だけでなく、日本軍が占領した地域の女性たちまでもが、強制的に日本軍の慰安婦として連れていかれ、酷い苦痛を受けた」

●北朝鮮への配慮
・「(朝鮮戦争で)北朝鮮が南侵」→削除(2020年から復活)
・「依然として朝鮮半島の安全と平和を脅かしている」→削除


 というふうに変わったということですが、こういう変更が大統領の一存で行われるというのだから、恐ろしい。むろん、そこに「客観性」などというものがあるわけでは毛頭ないので、露骨な「政治イデオロギーに基づく歴史の書き換え」なのです。

 元々韓国人には「公正・客観的な歴史記述」を目指す姿勢が欠けていて、偏頗な歴史教育を国民全部が受け、それがあの国が「扱いの難しい国」になる大きな原因の一つなのですが、文政権になってそれがさらにエスカレートして、しかも始末に負えないのは、それが「唯一の正しい歴史記述」だと思い込み、そう主張していることです。今回の一連の騒ぎ(すべて文政権の身勝手な対応に端を発している)は文在寅とその取り巻き(「運動圏」と呼ばれる元左翼学生運動仲間で固められている)の「歴史ファンタジー」に日本まで従わせようとしたところから生じたものだということが、こういうのを見るとはっきりする。彼我の歴史認識の違いをまず認めて、そこから話し合いの糸口を探ろうなどという様子は全くない。自分の歴史ファンタジーが絶対なので、相手がそれを「共有」しないと、「侮辱だ!」といきり立つのです。こういうのにつける薬はない。前に、「日本でいえば、革マルや中核派などの左翼過激派が政権を取ったのと同じ」と書きましたが、あれは言い過ぎではなかったということです。「マイルドなネトウヨ政権」である安倍政権と相性が最悪になるのは無理もない。別に右翼ではない僕のような人間でも、「あそこまでクレイジーなのは見たことがない」と呆れることになるのです。

 どうしてこういうことになるのか?

小学校の教科書から「漢江の奇跡」を削除……韓国の歴史とは「道徳教育」である(8.26)

 こちらは文春オンラインの記事ですが、

「韓国語の『正しい歴史(オルバルン・ヨクサ)』という言葉は、『事実にかなった歴史』という意味ではなく、『理にかなった歴史』『あるべき歴史』という意味で使われます」(神戸大学教授・木村幹氏)

「韓国では『歴史』も『道徳』なんです。実際、『社会科』は『道徳』と同じグループの科目で、歴史を学ぶ意義は、国民全体で『民族主義の重要性』を確認することなんです。そのためには教科書で良い奴と悪い奴をはっきり区別して描いたほうが分かりやすい。だから、人物の評価軸も『善か悪か』になってしまう」(韓国人ジャーナリスト・崔碩栄氏)


 なるほど、という感じですが、だから「史実軽視」になって、こちらもそれに付き合わないと怒り出すのです。通常こういう態度は「歴史家が最も警戒しなければならないもの」とされています。それでなくても人は無意識の価値観やイデオロギー、願望やそれと反対の嫌悪、恐怖を対象に投影してしまうものなので、そこに無自覚だと、およそ事実とはかけ離れた決めつけを行なってしまうことになり、それでは歴史から学ぶこともできなくなる(誤解のないよう付け加えておけば、これは無感情、没価値的になることではない。自分が受けてきた無意識の条件づけに気づき、そういうものに害されずに開かれた見地からものを見、考える精神の強靭さをもつということです)。今の日本の「ネトウヨ史観」の弱点や危険性もそこにあるのですが、木村教授・崔氏の指摘によれば、韓国ではむしろそれが「積極的に肯定」されているということになる。そして左派・右派を問わず、「民族主義」の高揚のために「日本は悪」史観がつねに利用されるとすれば、韓国の子供たちは強烈なバイアスのかかった「歴史ファンタジー」が「事実」だという認識に基づいてしかものを考えられなくなる。よくて、「過去の日本は許しがたいが、今の日本人はそれほどひどくない」程度のものにしかならないわけです。そして彼らはそういう自分の態度が「度量の広い、寛容な」ものだと錯覚する。

 文在寅の場合は、そのバイアスが極端で、ほとんど狂気のレベルに達している。日本を激しく敵視する一方、北朝鮮に対する態度は「甘い」という言葉で表現できるようなものではない。金日成の時代から、北朝鮮は最悪の独裁制を敷いてきました。「偉大な将軍様」崇拝の洗脳教育を徹底し、嘘ばかり教え、反対者は政治強制収容所送りにして、片っ端から殺してきた(断っておきますが、これには何の誇張もない)。金正日、金正恩と、その「負の遺産」がずっと“世襲”されてきたわけです。「北朝鮮が南侵」も削除されているという話ですが、文在寅の「ファンタジー史観」では、国家としての正統は北朝鮮にあって、だからそれは「幸福な併合」になるはずだったが、米ソ冷戦時代の「代理戦争」になって、米軍が38度線まで押し返したので、不幸にして統一は妨げられた、程度の認識なのでしょう。文在寅は北朝鮮からの避難民家族の出身ですが、その過酷な独裁制の中で苦難を強いられている北朝鮮民衆の方ではなくて、なぜか権力の側に自己同一化するのです(彼の支持基盤になっている市民団体の類も皆そうですが)。僕が文在寅が「理想主義者」だという説に同意しないのは、彼は「イデオロギー狂い」ではあっても、理想主義者特有の潔癖さや誠実さ、庶民に対するシンパシーを何ら持ち合わせていないからです。「国民感情に寄り添う」フリをするのは、政治デマゴーグの常套手段で、それはたんにそれを利用するためでしかないのです。この前のGSOMIA破棄にいたった理由の一つは、それまで自ら「反日」をさんざん煽っておいて、8月15日の「光復節」演説では、日本非難を「抑制」した。なのに、日本からはそれに対する何の「感謝」もなかったのでプライドが傷つき、ブチ切れたからだ、というのです。おまえは金正恩か、とツッコミを入れたくなりますが、こうした彼の人となりからしても、「超独裁国家・北朝鮮への憧れ」は当然のことなのかもしれません。

 話を戻して、そういう文在寅の「独善的歴史ファンタジー」に沿った歴史教科書の改変が行われているとすれば、日韓関係は今後悪化しこそすれ、よくなることはまずないでしょう。「日本の悪者化」がさらに徹底するわけですから。韓国は大統領は一期しかできないので、保守派に政権が移ると、今度は自分が「積弊清算」の対象にされることは確実で、それを恐れて左派政権を存続させようと目論み、同じ元左翼学生のソウル大法学部教授を法相にして、それに跡を継がせようと画策していたところ、この御仁が「スキャンダルの巣」のような人間で、おかげで再び不支持が支持を上回る事態になっているという話です(韓国はとにかくこの手の話が多い。不正蓄財・投資とか、親族がらみの不正とか、娘の裏口入学とかの話です。李氏朝鮮時代の、タテマエだけご立派なことはやたら並べるが、裏では権力を悪用して私腹を肥やすことばかりやっていた両班政治と何ら変わるところがない。王様が無責任で無能なのも同じです)。

 本当は、だから、韓国は過去の自民族の為政者たちのお粗末きわまりない「無責任行動」の歴史をきちんと子供たちに教えた方がいい。民族的な「自尊心」は傷つくかもしれないが、嘘を土台とした「自尊心」なるものはたんなる病的な虚栄心にすぎないので、それ自体が神経症的な人間を作り出すのです。比率的に韓国人に嘘を平気でつく人が多いのも、「嘘はその方が自分に有利なときはついた方がいいのだ」ということを、こういう歴史教育が「率先垂範」しているからだとも言えるでしょう。今の文政権は李氏朝鮮時代末期の政治と同じことをしている(だからよほどしっかりしていないと周辺国もそれに振り回されて、巻き添えになる)のですが、そういうことも、きちんとした歴史を学んでおけば見抜けるはずです。

 韓国がほんとに「まともな国」になりたいのなら、上の記事にあるような「歴史ファンタジー」に耽るのをやめるところから始めなければならない。日本でも、最近は百田尚樹の『日本国紀』のような歴史書の体裁を取った「日本はこんなにも素晴らしい」本が出て、ベストセラーになったりしていますが、あちこち記述の矛盾があると指摘されているのは、彼の「ネトウヨ・イデオロギー」が前面に出てしまっているからでしょう。韓国の「歴史」は、しかし、それの上を行く。ことに文在寅の「歴史ファンタジー」はかなり極端なもので、基本スタンスがそれを日本に強要し、同意を求めるものなのだから、対立が先鋭化するのはあたりまえなのです。

 前回も書いたように、しかし、それは韓国の孤立化をもたらし、経済も外交も行き詰まるだけだろうから、時間の問題で「文在寅おろし」は始まり、政権は保守派に移るでしょう。そのとき歴史記述のあり方も根本から見直すようになってくれれば、長い目で見て、日韓は友好的な関係が作れるようになるでしょう。むろん、そのとき、日本側が百田に代表されるような「ネトウヨ・イデオロギー」を相手に押しつけるようになったのでは、今の韓国・文政権が日本に対してしているのと同じことになって、ぶち壊しになると思うので、そこは「公正」にやらねばなりませんが。

 問題は、異常な歴史洗脳教育を受けてきた韓国民が、成熟した政治家を「親日」「売国奴」扱いしかねないことですが、前回も書いたように、あまりにも極端な文政権のおかげで、「これはいくら何でもおかしいぞ…」と気づく人が増えて、そうした「見直し」も少しは起きるようになるかもしれません。それが「文在寅唯一の業績」になることもありえる。大統領退任後、刑務所に入れられそうになったら、文は仲間と共に北朝鮮に亡命すればいいのです。金正恩が手厚いもてなしをしてくれるかどうかは疑問ですが、政治強制収容所送りになることはないだろうから、韓国の法廷や刑務所よりはマシかもしれません。



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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


2019年08月
  1. 「狂気の韓国」をつくる「病的な歴史教育」(08/26)
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