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ケチは性格であり、病気である

2016.05.18.15:53

 舛添要一・都知事に対するバッシングがやまないようです。最初はNY出張に高級ホテルのスゥィートを利用し、行き帰りの航空機もファーストクラスだった、というような話だったのが、次は湯河原の別荘へ行くのに都の公用車を使っていた、という話になり、その別荘も個人の所有でありながら、税金逃れのために名義は彼の何とか研究所になっているとか、そして今度は、参院議員時代に、家族旅行のホテル代から、回転寿司の飲食代、挙句はホームセンターで買った工具や猫のエサ代まで、「政治活動のための出費」に計上されていたという話で、煩雑なのでこれくらいにしときますが、ほとんど無限に、この手のセコい話が出てくるのです。

 要するに、税金を個人的な使途に使ってぜいたくはするが、私的な支出もできるかぎり公費名目で処理して、自分が払う税金は極力減らしたいということで、彼の資産は三億ン千万あるそうですが、生まれつきの守銭奴的性格はカネがいくら増えても治らないというか、むしろ資産ができればできるほどエスカレートするのです。

 ケチな人というのは、むろんその人の社会的地位によってヴァリエーションは無限にあるとはいえ、その行動パターンは同じです。ある意味非常にわかりやすく、「こういう状況ではこうするだろうな」というのがほぼ正確に予測できるものです。これは節約家とは全く違う。無駄遣いはしないが、気前はよく、ここぞというところではぽーんと大きな額を出す(しばしば非利己的な目的のために)という人も、数は少ないが、たしかにいるので、ケチはそんなことは絶対にしないのです。当然ながら、人望は全くない。仲間と飲みに行っても、今日はたまたま持ち合わせがないから払っといてくれと言い、次に行ったときは前のことは忘れたふりをして、自分の分しか出さないのです。「オレがもつ」と言うときは、必ず領収書を切らせる。あとで交際費として落とすつもりなのです(僕はこういう人にも会ったことがあります。何人かで出かけてあちこちで飲み食いしたのですが、自分の分しか払わないくせに、その都度全員分の領収書を自分名義で切らせていたのです。後で交際費として落とすつもりなのは明白でしたが、払ってもいない分まで払ったことにするとは図々しい話で、職業をバラすのはやめておきますが、いくら経営が苦しいからといって、センセイと呼ばれるご身分でそんなみっともないことをするとは嘆かわしい話です)。

 舛添氏というのは、こういうケチの典型で、それはテオプラストス、モリエールの昔から存在する、ある意味“普遍的”な人間類型で、性格であり、病気なのです。性格であり、病気なのだから、それは治らない。非難しても無駄というもので、僕は氏が元パリ大学、ジュネーブ国際何とかの客員研究員も務めたことのある東大助教授、「新進気鋭の国際政治学者」として颯爽と論壇に登場した頃のことを憶えていますが、元からそうだったのだろうと思うと、微苦笑を禁じ得ないのです。

 この前取り上げた「パナマ文書」も、金持ちの「合法的節税」、要するにケチの話だったので、「国際派」らしく舛添氏の名前がそちらにも出ていれば、話のオチは完璧ですが、残念ながら(?)そこまでは期待できないようです。大した資産家ではないのと、それを利用する機会に恵まれなかったからだろうと思いますが…。

 東京都民の皆さんは、だから、「キャラを楽しむ」余裕をおもちになる方がいいでしょう。「舛添クイズ」というのでも作って、状況を設定し、「この場合、舛添さんはどういう対応をとったでしょうか? 次の四つの中からえらんでください」とやって、それを当てっこするのです。すでにその材料は豊富にある。僕が編集者なら、そういうクイズ本を作って売り出しますけどね。笑えるので健康にもいいし、「ケチの習性」学習本にもなる。ベストセラー疑いなしです。

 とにかくこれで、辞職するかどうかはともかく、彼の二期目はもうなくなったと思いますが、元宮崎県知事で、前に都知事選にも出たことのある東国原あたりは、ひそかに「チャンス到来!」と喜んでいるかもしれません。前は石原氏に敗れたが、堂々の二位だったことからして、それはありうることです。有力な対抗馬がいなければ、当選の可能性は大いにある。すると今度は、都民は知事の「下半身スキャンダル」に悩まされることになるのは確実で、「またかよ!」ということになるのです。週刊朝日の記事によれば、舛添氏は当初「上品な猪瀬」と職員には見られていたそうですが、やがて猪瀬氏より始末に負えないことが判明した。その後釜に東国原あたりを迎えれば、その「負のスパイラル」は「都の法則」みたいになるのです。都政がどうのではなく、ひたすら低次元のことで話題になる。

 四年後の東京オリンピックの頃の都知事は誰になっているのか? 楽しみです。
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