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今年の大学入試動向は?

2015.01.16.18:12

 他に書いてみたいことはたくさんあるのですが、センター試験前で落ち着かないので、入試関連の雑談でも少し。

 昨年は旧課程最後の受験生でした。別に浪人しても、旧課程用の配慮はしてくれるからよさそうなものですが、安全志向の昨今、浪人を回避する受験生が多く、今年は浪人生が少ないのが特徴だそうです。前年より10%も減ったという。

 昔なら、「勉強は浪人してからやればいいや」というテキトーな若者が多かったが、今は堅実なので、浪人は医学部や難関大狙いの「こだわり派」が多い関係から、浪人生が少ない年は(あくまで比較的に、ですが)、学力上位層が減るために入試は楽になる。とくに浪人の方が二次試験に強いことからして、なおさらです。

 この傾向はとくに文系において顕著だとのこと。河合塾の模試による動向分析など見ても、東大も含め、難関大予想ではほとんどのところが、その度合いに差はあるとはいえ、「成績上位層が減っている」と書かれている。だから、今年の入試は「国公立大志望の文系の生徒にとって、千載一遇のチャンス」だと言う人もいるくらい(駿台予備学校進学情報センター石原賢一センター長)です。

 塾教師としては「腕が鳴る」ところですが、こういうときにかぎって三年生が少なかったりして、しかも、今年文系学部の受験生はゼロと来ているのだから、間が悪いのもいいとこなのですが、とにかくそんなわけで、国立文系を狙う受験生にはトクな年のようですよ。

 入試科目の変更で受けやすくなった大学もある。それは京大で、文系学部の文、法、総合人間で、センターの社会が地歴+倫政経から2科目、となったのです。去年までは地歴から2科目で、二次で受験する科目とは別の科目を第一解答科目に指定せよ、となっていた(実質地歴2科目ですが、センターでは第一解答科目の成績しかカウントされなかった)。

 これはふつうの地方の公立高校の生徒には実に困るシステムでした。私立であろうと公立であろうと、有名進学校なら、文系の生徒には地歴から2科目履修するのを可能にしているはずですが、延岡の公立高校などでは、カリキュラム上、地歴は一つしか選択できないのです。理系の場合にはそうした不具合はないが、だから、東大や京大を受けたいのなら、文系受験生は地歴もう1科目を独習でマスターするしかない。去年、わが家のお坊ちゃまもこれで苦境に陥ったので、僕がそんなことは全然気にしていなかったのは、本人も親も私立しか考えていなかったからです。それなら、英国と、後は社会一つで足りる(マーク模試などでは社会は世界史と倫政経で受けていた)から、それなら別にそんなに苦労しなくてもすむだろうと高を括っていたのです。それが「ひょっとしたら、これは5教科でも何とかなるかも…」ということになってきて、本人はその気はない(国立は滑り止めで受験する?)と言っていたのが、3年の夏休みの終わり頃に「やっぱりやってみる」と言いだして、「地歴のあと一つはどうするわけ? もう正味3~4か月しかないけど」という信じがたい展開になってしまったのです(学校の授業も、他の学科のこともあるのだから、これは相当大変です。わが子だから、「じゃあ、とにかくやってみれば」なんて無責任なことが言えたので、よそ様の子供相手にはいくら僕でもそこまでテキトーなことは言えません)。

 具合の悪いことはもう一つあった。彼はそれで、もう一つの地歴科目に日本史を選択することにしたのですが、センターではそのにわか仕込みの日本史の方を第一解答科目に指定しなければならず、そうすると私立のセンター利用でカウントされるのもそちらになって、得意な方の世界史の成績は無視されることになってしまうのです。仮に世界史は満点で、突貫工事の日本史は70点だったとしましょう。するとセンター利用の社会も70点の評価になるのです。私立のセンター利用は一般入試よりハードルが高いので、それが原因で落ちてしまう可能性が高くなる。昨年のセンターの場合、国語があれで、9割は大丈夫だろうと踏んでいたのが7割しか取れなかったので、国語がそれでは仕方ないというので、元の志望私立は一般受験で雪辱すればいいということで諦めはついたものの、そういう意味でも受験生泣かせだったのです(それにしても、二次の成績と大して変りなかったあのセンターの国語は何だったんでしょうか?)。

 今年なら、センターを世界史と倫政経で受験して、前者を第一解答科目にし、二次でも世界史で受けられるから、問題はめでたく解消するのです(教育学部なら去年でもそれができたが、本人の選択肢に教育学部というのはなかった)。

 これは同じようなカリキュラムの地方の公立高校の生徒たちには朗報でしょう。1年早くそうしていてくれていれば、わが息子もあんなアクロバットは演じなくてすんだだろうと思うのですが、おそらくこれは、理科が今年から基礎2つ必要になることからする負担軽減措置なのでしょう(東大の方は変わりません。センターでは地歴+倫政経から2科目選択だが、二次では地歴2科目が必須だからです)。

 それで、京大は例外的に文系のそれらの学部の志望者が増えているようですが、やはりボーダーから上の層は減っているという話なので、倍率は上がっても、レベル的に難化することはないだろうと、予備校関係者は見ているようです(僕の予想では、法学部はいくらか難化するでしょう。東大の文Ⅰでも、「法学部不人気が下げ止まった」と出ているし、京大は昨年、法科大学院の司法試験合格率がトップになったからです。あまり言う人がいないが、こういうのは法学部受験生には影響します。一橋の法学部が難化していたのは、法科大学院の合格率が高かったからです)。

 逆に九大文学部などは、二次に社会を加えたことから、志望者が激減しているという話で、ボーダーが大幅に下がると予測されているので、これなんかは大穴になるかもしれません。競馬の予想をしているみたいで不謹慎かも知れませんが、今の受験生はそういった科目の増減にはきわめて敏感に反応するのです(本来的に言えば、文系で二次に社会がなかったこれまでの方がむしろ不自然だったと言えるのですが)。

 国立理系、とくに工学系は相変わらず堅調なようで、浪人が減ったからと言ってそう楽にはなりそうもありませんが、文系はそういうわけで、打ち続く「理高文低」傾向の中でも、全般に今年は一段と楽になるという予想です。しかし、理科が基礎2科目になったことから、国立を忌避して、私立に流れる傾向が見られるそうで、早慶、上智などはいくらか難化が予想されているようです。こちらは「成績上位層が増加」とあるから、全体に文系上位層が減っているなら、なぜ私立は増えるのかなと不思議に思われますが、早々と国立を見限って私立に切り替えた受験生が多かった、ということなのでしょうか? そのあたり、僕には今一つ釈然としないのですが、とにかくそんな予想が出ています。

 結論としては、国立文系の受験生は、強力なライバルが減っているので、今年は強気に行けば成功する確率が高い、ということです。但し、二次比率の高い難関大を受験する生徒は、これは理系でも同じですが、二次の個別試験への準備ができていないと、いくらセンターがA判定でも落ちますよ。僕は延岡で塾をやっていて、そこらへんがわかっていない受験生や保護者が多いのにびっくりさせられるのですが、配点を見ただけでもわかりそうなものです。センターと二次試験は、難関大の場合、科目は同じでもほとんど別の試験みたいなものなので、そのあたりはよく注意して、過去問を見てそれが自分にどれくらい解けるかを見て、決めて下さい。「二次に強い」浪人が減っているということで、少し甘めに見てもいいかも知れませんが、とにかく解いてみて、できればその答案を誰かよしあしの判断ができる人に見てもらって(というのも、英国などとくに、記述の答案は自分ではどれくらい点数がもらえるか判断がつきにくいだろうからです)、ゴーサインが出たら挑戦する、というふうにするのが賢いやり方かもしれません。

 受験生諸君の健闘を祈っています。入試はメンタル面も大きいので、併願の受験プランをきちんと立てて、過度なプレッシャーがかかりすぎないようにして第一志望の受験に臨めると、実力も発揮できやすくなるので、そのあたりもうまくやって下さい。
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大野龍一

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