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安倍政権に早く引導を

2014.07.23(05:37) 271

 次の朝日新聞の記事を見て、「言えてる」と思わず笑ってしまいました。

【公明党の山口那津男代表は21日、憲法解釈の変更で集団的自衛権の行使を認める閣議決定をしたことについて、「公明党が連立離脱していたらどうなったか。安倍晋三首相と(日本維新の会の)石原慎太郎共同代表が仲良くなり、国民が期待しない安全保障の方向性をとってしまったかもしれない」と語った。公明党が安倍政権にいることで、「限定容認」で済み、歯止めになった、との考えを強調した。熊本市内の講演で語った。】

「歯止めになった」かどうかは知りませんが、石原のじさまと安倍が揃い踏みで、「わっはっは。どうだ、習近平、いつでもかかってこい!」なんてやって、先の大戦は「侵略戦争ではなかった(むしろアジアの国々の独立を助けたのだ)」と主張なさるお友達、“逆自虐史観”の田母神・元航空幕僚長やら、それに共感し、都知事選では田母神氏の応援演説に立った、ベストセラー『永遠のゼロ』の著者で、安倍に任命されたNHK経営委員でもあらせられる百田尚樹氏(「東京大空襲や原爆投下は大虐殺で、東京裁判はそれをごまかすための裁判だった」という斬新な説も披露されている由)あたりが賛同を表明するために駆けつけ、安倍氏の「戦車パフォーマンス」に狂喜したネトウヨたちが会場を埋めて、皆で大気炎をあげるというふうになっていると、ずいぶんわかりやすかっただろうなとは思います。公明党のせいで「集団的自衛権」はわかりにくいものになったが、それだとその“本来の意図”が誰の目にも明らかになっていたことでしょう。

 そうすると、「いくら何でも、こいつはちょっとヤバすぎるんじゃないの?」ということで、支持率の下がり具合も、この程度のものではすまず、暴落に近いものになっていたであろうに、公明党はそれを妨げたのです。よくありませんよ、そういうの。

 それでも、日本人にまだ見る目は残っていたらしく、安倍応援団のフジサンケイグループの世論調査ですら、支持率が46.6%になって、不支持率とぴったり同じになったとのこと。尤も、記事をよく見ると、アベノミクスによる経済効果への疑問が大きくなっているそうで、これが下げ要因としては大きいのではないかと思えるのですが、あんなもの、元々幻想にすぎないでしょう。経済方面に詳しい僕の知人の中には、あの「異次元の金融緩和」なるものの真の狙いは、ハイパーインフレにもっていって、国債をチャラ同然にしようというもので、財務省の深謀遠慮がその背後には隠れているのだろうと言う人さえいるくらいです。彼はどういう順序でそうなるのかということを説明してくれましたが、専門的知識のない僕にはそのあたりよくわからないので、僕にわかっているのは、実体経済上によくなる要因がないのに、札だけジャブジャブ刷っても、インフレにはなるだろうが、景気なんかよくなる道理がない、要するに彼のやろうとしていることは、財政出動でいりもしない公共工事を増やして(オリンピックもその一つです)、赤字国債の上乗せを増やすということだけで、それならどんな無能な政治家にもできることなので、アベノミクスというより、アホノミクスなのではないかということだけです(ついでに言うと、消費税アップのどさくさで、前は税込み表示がふつうだったのが、税別表示になり、それでよく見ると便乗値上げが相当増えているように思われます。庶民実感としては物価は確実に上がっているのです。円安で輸入原料の価格が上がっているから、そうしないと業者ももたないのでしょうが、円高デフレ下の方が明らかに貧乏人には暮らしやすかった。前にも言ったように、景気がよくなったのは輸出関連の大企業サラリーマンと、株の値上がりで儲けが増えた投資家たちだけでしょう。どこの国でもそうですが、力をもっているのは大企業や投資家なので、彼らのご機嫌をとっていれば、政治権力は安泰なのです。数の上では貧乏人の方がずっと多くても、彼らは力を持たないからです)。

 何はともあれ、この支持率低下は、安倍が余裕で「朝日は私が嫌いだから」と言う朝日新聞より安倍を嫌っている僕にとっては喜ばしいことです。もっと時間がたてば、アベノミクスが出鱈目なものだったということはさらにはっきりするでしょうが、そうなっては困るので、原発再稼動で財界の面々のご機嫌を取り結ぶべく、先日も、視察に訪れた福岡市内で、九電の会長をはじめとする九州財界人と会食して、「(鹿児島の)川内原発はなんとかしますよ」と約束した由。しかし、財界と原発に生活を依存している原発立地自治体以外の大方の国民は、「福島のあの事故を見てもまだそんな無神経なことを言っているのか!」と怒るだろうから、それはさらなる支持率の低下に結びつきかねないでしょう(すでに有名になりましたが、原発による電気料金が安いというのは嘘の皮です。原発が止まっている今は火力に頼らざるを得ないから、石油や天然ガスの輸入費用が莫大になって電気代を値上げしなくてはならないと言いますが、それはそのためのシステムが整っていないからで、さらに廃炉の費用や行き場のない「10万年の安全な保管が必要」な放射性廃棄物の処理コストはそこにはカウントされていないのだから、何をか言わんやです。もとよりこれはコストだけの問題ではなく、人としての倫理の問題なのですが)。

 おそらく、彼が今点数稼ぎの絶好のチャンスと考えているのは、北朝鮮の拉致被害者の帰国でしょう。それが何人かでも帰れば、一気に人気は上がるとソロバンをはじいている。しかし、北朝鮮に足元を見られているので、見返りに大きな経済援助(裏金?)を約束させられるだろうし、勝手に経済制裁を解除したというので、すでにオバマのアメリカはおかんむりで、元々オバマは対中韓関係を極度に悪化させて「東アジア情勢を不安定化に導いている」右翼ナショナリストの安倍を嫌っていますが、そこらへんの兼ね合いが難しいだろうと言われています。小泉元総理はブッシュ・ジュニアと仲良しで、“義理”も果たしていたので、北との裏交渉=拉致被害者の帰国もアメリカとのトラブルにはならなかったが、オバマはブッシュではないのです。

 むろん、拉致被害者の帰国は望ましいことです。しかし、実現したとしてもそれは「安倍だからできた」というわけでは別にないので、今の北朝鮮はアメリカの経済制裁だけでなく、中国との関係も自ら悪化させて原油も止められているそうなので、喉から手が出るほど経済援助がほしいのです。安倍も人気挽回の起爆剤にしたい。だから日本海に何発もテポドンだか何だかを打ち込まれても、彼には珍しく“寛大”で、「交渉に影響はない」なんて言ってるのです。北朝鮮はそれを見て、これはたくさん要求を呑ませられるだろうと見ている。北朝鮮の方がずっとしたたかです。いやいや、拉致被害者帰国の暁には態度を一変させるであろうと言っても、そんなことすれば北朝鮮は何をしでかすかわからない。中韓に日本非難の口実を不用意に与えてきたのと、それは同じ結果になるのです。

 北朝鮮は、その威信のためにも条件の一つとして安倍訪朝を要求し、そうすれば、アメリカが怒るのは目に見えている。これをどうするかというところで彼は現実政治家としての手腕を問われるのですが、訪朝してアメリカを怒らせた後、ご機嫌を取り結ぼうとすれば、例の「集団的自衛権」をアメリカが望むように運用することを約束させられる羽目にいずれなるでしょう。オバマは今期限りだし、安倍も今が絶頂期でしかなく、いずれ政権は変わるでしょうが、そのとき、日本の総理は、あれは前任者が勝手にやらかしたことで、自分は無関係だとは言えないのです。オバマだって、ブッシュの馬鹿がやらかした二つの無益な戦争の尻拭いをさせられているのですから。それが「政治の連続性」というものなので、安倍はここでもまた無責任に面倒なツケを後世に回すことになるのです(何が「これで日本は五十年は安全になった」だ!)。「秘密保護法」も「集団的自衛権」も、先々がずいぶんと楽しみな置き土産です。世界が混迷の度を深める中、彼に輪をかけた「戦前返り」の、妙なカリスマ性をもつ極右政治家なんか出てきたらと思うと、ぞっとします。

 ともあれ、安倍政権というのはそういう政権なので、野党もぼさっとしてないで、早くこいつを政権の座から追い払いましょう。それは子供や若者のためになすべき今のオトナの神聖な義務です。泣き虫でロクに呂律も回らない海江田なんか使い物にはならないので、民主党ももっとましな喧嘩のできる党首を立てて、きっちり対決するのです。ああいうのは見ているだけでストレスが溜まる。しかし、岡田も前原も今イチなので、どじょうの野田さんあたり、またどうでしょうかね? 前回は彼には状況が悪すぎたのです。それで頑張っている共産党あたりと連合して、安倍自民を選挙で大敗させる(公明党は早く連立を解消した方が選挙にはプラスですよ。支持母体の創価学会からも批判が噴出しているくらいなのだから。ああいうのは石原のじさまあたりと連立させて、共倒れさせればいいのです)。今度は、もう化けの皮がはがれているから、それは十分可能なはずです。僕も陰ながら頑張って、このブログで安倍叩きを続けますから。
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祝子川通信 Hourigawa Tsushin


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