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殿は正気である

2014.01.18.04:13

「元首相連合」に自民党首脳部はたいぶビビって、苛立っているようです。
 以下は「『殿、お戯れを』と甘利氏 細川元首相を再びけん制」と題された47NEWSの記事です。

【甘利明経済再生担当相は17日の閣議後の記者会見で、都知事選に立候補を表明した細川護熙元首相が五輪辞退を主張していたことや、過去の借金問題に触れ「徳洲会事件の後任には佐川事件の私が最適ですとか、オリンピックは返上すべきだとか、殿、お戯れを」と述べ、あらためてけん制した。
 細川氏は、昨年末に出版されたジャーナリスト池上彰氏の著書で、東京での五輪開催を辞退すべきだったと主張。過去には佐川急便からの借金問題が首相退陣のきっかけになった。
 甘利氏は10日の記者会見でも、細川氏の立候補の動きについて、細川家第18代当主であることに絡めて「殿、ご乱心」とやゆしていた。】

 まず、「五輪辞退を主張」の件については、これはむしろあたりまえで、そんなことによけいな費用とエネルギーを費やすなら、福島原発事故の後始末と被災者支援に努力を傾注すべしというのは、全くの正論ではありませんか。

 しかし、いったん決まってしまったからには今さらそれは難しいというのが現実でしょうから、都知事選立候補に当たってそれは引っ込めたとしても、べつだん“変節”ではない。それなら自民党のTPP参加はどうなのだということになるわけです。どうなんですか?(やれ東京五輪は「スポーツ少年少女に夢を与える」とか「経済活性化につながる」とか、そういうのは原発事故とは次元の違う話で、どっちが大事なんだということになりますが、今の日本のミソとクソの区別もつかない“お子様社会”では、残念ながらそういうことを言っても通じないので、無視もできないわけです。)

 大昔の「佐川急便からの借金問題」については、大量離党者を出してひたすら自民党に擦り寄るしか能がなくなっているみんなの党の渡辺代表が逸早くツイートでそれを呟いたりして、浅ましい奴との失笑を買っていますが、自民党流の“みそぎ”の論理で行くならば、あのとき総理を辞任したことで一応の決着はついたということになるのではありませんか? いや、余生を「陶芸家」で送るなら許せるが、政治家に返り咲くとなると話は別なのだということになるのでしょうか?

 それならこの際、そういうことを言っている自民党の先生方の“身調べ”をマスコミは徹底的におやりになってはいかがでしょう。甘利氏などは、むろん、怪しい献金などは全くないのだという絶大な自信をおもちなのでしょうが、僕がジャーナリストなら、そのあたり徹底的に調べてみるでしょう(額の大小はあれ、そういうことで全く身ぎれいといえるのは、党員献金に頼っている共産党ぐらいのものではないかと思いますが)。

 猪瀬氏の場合には、相手が折悪しく選挙違反で騒ぎになった病院経営の徳州会で、賄賂認定も可能だったということに加え、擁護の声がほとんど起きなかったのは、いかに人望のない人だったかということも関係するでしょう。こう言っては失礼ながら、彼は見るからに「ヤな奴」で、女性にモテないだけでなく、権力志向丸出しの横柄傲慢な、同性からも嫌われるタイプのようです。こいつは相手の地位や権力、そのときどきの風向きによって態度をころっと変える奴だろうなというのがもろに顔に出ていて、そういうところも災いしたのでしょう。

 僕は先日、週刊誌で『小泉純一郎の「原発ゼロ」』(山田孝男著 毎日新聞社)という本の広告を見て、昨日書店に行ったら平積みになっていたので、少し立ち読みした後、半端な時間を埋めるために買ってみました。これがなかなか面白かった。日本記者クラブでの講演の全文が収録されていて、靖国参拝についてなどは「相変わらずの安直さだな」としか思いませんでしたが、原発全廃論についてはナットクの内容でした。読売新聞の社説に対する反論なども、説得力がある。まだの方には一読をお勧めします。

 要するに、小泉氏には政界再編だの何だの、よけいな色気は全くない。彼はドイツのように即「脱原発」を決め、そちらに向かって邁進するのが今の日本政府のとるべき道だと確信し、そのために活動を始めたのです。政界を引退して寂しくなったとか、過去のスポットライトの記憶が忘れられないとか、そういうコセコセしたものは全くないのだろうと、僕は疑り深い方ですが、そのことは信じることができました。
 そのあたりは、殿も同じだろうと思います。電力政策は国の管轄だから、東京の知事選でそんなものを争点にするのはおかしいと言われていますが、その他大勢の国会議員より、最大の電力消費自治体の首長がそれを唱えたほうがずっとインパクトがある。

 げんに自民党はそれを一番恐れているわけでしょう。だから、正面からそれを批判せずに、他のことや冷やかしめいたことを言って細川氏の信用を低下させようとする。
 それに乗せられるかどうか、都民はそこを問われているわけです。

 都民だけでなく全国民が、それが争点になればマスコミ報道を通じてあらためてそれを再考するでしょう。僕は先頃、『世界』臨時増刊号の『イチエフ・クライシス』を読んで、問題が全く解決していないこと、一般の関心が薄れるにつれ、それをいいことにまたぞろ元の軌道に戻ろうとする“慣性の法則”が働いていることを再確認しました。そこから何の教訓も得ていないように見えるのは実に驚くべきことです。もう一回大事故を経験して、国が存亡の危機に陥らなければわからないと言うのでしょうか? だとすれば、全くアホとしか言いようのない、これは国です。

 こういうところで本気にならずに、他の何で本気になるのか? 株価が上がって目先の経済指標さえよくなればそれで満足だって? 仮にそうなら、救い難く腐りきった国だということになるので、さっさと滅びた方が天の摂理にかなったことではないかと言いたくなるほどです。

 だから細川のお殿様は、ドンキホーテ呼ばわりされようと何だろうと、「脱原発」を争点にして、正面から選挙戦に臨んでいただきたいと思います。「政界再編ごっこ」という次元の低い権力闘争(橋下も小沢も、もうけっこう)はいい加減見飽きたので、今必要なのはむしろ小細工を弄さない愚直なドンキホーテなのです。意外や、彼は原発という巨大風車を倒せるかも知れません。自民や、ヤニ下がった自称現実主義の文化人もどきの揚げ足取りを恐れるより、より根本的なことを考える都民の良識に信を置いて、ここは真っ向勝負していただきたいものです(何で記者会見が遅れているのでしょう? ちまちました「選挙戦略」など練っているようでは逆に覚悟のほどを疑われてしまうだけではないかと思いますが)。
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