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原発輸出でいずれはこういう賠償問題の多発も…

2013.07.20.13:34

 ゆうべ見た読売新聞電子版のニュースのコピーです。教訓的な話と思われるのでまだの方はぜひごらん下さい。

【ロサンゼルス=水野哲也】米カリフォルニア州でトラブルのため廃炉が決まったサンオノフレ原子力発電所を巡り、同原発を運営する電力会社サザン・カリフォルニア・エジソンは18日、トラブルが発生した蒸気発生器を製造した三菱重工業に対し、責任を取るよう求める「紛争通知」を送ったと発表した。
 90日以内に問題が解決しなかった場合、エジソン社は損害賠償を求める仲裁手続きを開始するとしている。
 同原発では昨年、三菱重工製の蒸気発生器で冷却水漏れが発生。周辺住民の反対が強まる中、エジソン社は今年6月に廃炉を決めた。同社は、三菱重工が速やかに修理する義務を履行しなかったなどと主張し、契約上の上限額の約1億3700万ドル(約137億円)を超える多額の賠償を請求する考えを示した。
 三菱重工は、「エジソン社の主張は交渉の経緯や契約履行の事実を正確に反映していない」などとして全面的に争う姿勢を示した。(2013年7月19日19時38分 読売新聞)

 参院選の大きな争点にはなっていないようですが、安倍総理はあの悲惨な福島原発事故(収束のメドは全くたっていない)にもかかわらず、「原発輸出」に熱心で、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、トルコ、インドなど歴訪して、自ら「トップセールス」に努めておられるほどです。何でもあの事故で、「日本の原発はいっそう安全になった」そうで、われわれ庶民の度肝を抜くような“超論理”ですが、「自民圧勝(公明抜きの単独過半数も固い?)」が伝えられるなか、「ねじれ」を解消して、経済のためなら何でもありのアベノミクスに邁進できるようになった暁には、“復活”が伝えられる原子力ムラの面々ともども、こちらでも売り込みに成功して、GDPを押し上げて下さることでしょう。

 しかし、そこでまた原発事故が起きたら、どういうことになるか? こういう損害賠償の拡大版になって(その場合、部品・機器レベルの話ではないのだから)、一件だけでも億単位ではなく、何十兆(もっと大きいかも知れない)も請求されることになって、向こうの杜撰な管理や運営に問題があったからその必要はないとか、大惨事のさなか、それがよしんば正当なものであっても、そういう弁明は通用しにくいでしょう。請求を呑まざるを得なくなるが、それは企業レベルでは支払いきれないので、一緒になって売り込んだ政府にもむろん責任はあるわけだし、それでなくても財政は大赤字なのに、国家破産へのとどめの一撃ということになりかねません。

「これだから素人は困る」と安倍総理は余裕の表情でおっしゃるかも知れません。「私がなぜ憲法改正にこだわるか、なぜ9条を改正して、“戦争のできる”“普通の国”にしたいのか、あなたはまるでわかっていないのです。いいですか、その場合、ちゃんとした軍隊があれば、相手とも強気で交渉できるのです! 相手に管理・運営上のミスがあれば、それをきちんと指摘して、それでも四の五の言うようなら、戦争でわが国の正義を貫くことができるようになる。それがわがアベノミクスの隠れた礎石、第四の矢、いや、まだ第五ぐらいまでは他にあったから、“第六の矢”なのです。私はあなた、これでも満州でならした、戦後巣鴨刑務所を出所後は“昭和の妖怪”と恐れられた、あの岸信介の孫なのですよ! ナメてもらっては困ります」
「でも、あれほど安全だと言ったのはおまえではないかと、相手に言われませんか?」
「何を言ってるんですか! 原発はアブナイにきまってるでしょう! 私は絶対に安全だなんて言った覚えはないのです。きちんと設計図どおりに構造物ができて、きちんとマニュアルどおりに運転され、マニュアルどおりに保守点検もきちんと行なわれ、想定外の天変地異が起きなかった場合にのみ安全だと、そういう意味の『安全』だということくらい、ジョーシキがあれば誰にだってわかることじゃありませんか? それ以上の責任を取れなどと言うのは、相手が悪いに決まっているのです!」
「でも、そこの住民たちはひどい目に遭ってしまうわけで…」
「そんなことはその国の問題であって、技術を提供した国には責任がないのです。わが国だって、アメリカに責任を取れなんて、言ってますか? あんたみたいな、菅さんの出来損ないみたいな人は、私は一番嫌いなんです!」

 なるほど。そう言えば、菅さんはこんなこと、公式ブログに書いてましたっけ。

【原発輸出に関して5/22付の毎日夕刊に「恥ずかしいぞ、原発輸出」という記事。全く同感。
 その記事の中で安倍首相はサウジアラビアで「日本は世界一安全な原発を提供できる」と述べたとある。私も3・11福島原発事故までは外国の首脳に同じようなことを言っていた。しかし3・11を経験し、その考えが全く間違っていたことが分かった。安倍首相は何を根拠に世界一安全な原発と言っているのか。これまでの安全基準が不十分として原子力規制委員会が検討している安全基準もまだ決まっていない。福島原発事故と地震の関係も検証は終わっていない。
 日本の54基の原発は自民党政権下で建設されたもの。事故が起きた時点で自民党が野党だったからと言って、原発の安全性に自民党が全く責任がないとは言えない。少なくとも、原子力規制委員会の安全基準など日本での新たな原子力安全政策が確立するまで、原発輸出は凍結すべきだ。】

 僕は正直、これにもかなりの違和感があるのです。「私も3・11福島原発事故までは外国の首脳に同じようなことを言っていた」とあって、そのとおりなのですが、かなり多くの人が、あのこと自体に???と思ったことはたしかなので、それは「原発は必要悪」みたいに思ってはいても、積極的に輸出をはかっていいようなものかと、そこは大いに疑問に感じたからです。しかも元市民活動家の菅直人が、いくら何でもそんなこと言い出すとは…とかなり奇異に感じたもので、人は政権を取ると変わるものなんだなと、相当興ざめな思いをさせられたのです。

 この文章にしてからが、「少なくとも、原子力規制委員会の安全基準など日本での新たな原子力安全政策が確立するまで、原発輸出は凍結すべきだ」とあって、事故が起きず、「安全」が担保されればいいかのような口ぶりですが、その場合ですら、高レベル放射能廃棄物の問題はそっくりそのまま残っているわけで、ふつうの人はあの悪島原発事故をきっかけにそこまで考えるようになったはずですが、菅さんは違うようです。彼の「脱原発」というのは所詮その程度のものなのかと、これを読んで思った人は少なくないのではないでしょうか。最近も鳩山氏と並んでやたらと騒がしくはあるものの、ほんとに安っぽい人なので、このお二人は「団塊世代の恥」みたいなものでしょう。

 安倍総理と僕は同い年で、こちらもオウムの麻原とか、あまりロクなのがいないような気がするのですが、先頃亡くなった元福島第一原発の吉田所長は、「彼のおかげで事故に一定の歯止めがかけられた」と、好意的な評価が多く寄せられているようです。

 それはともかく、安倍総理、人の命や生活環境は金銭で償えるものではありませんが、経済の見地からしても、安易に原発輸出なんかすると、後で取り返しのつかないことになりかねないので、そのあたり、あなたはほんとに真面目に考えているのでしょうか?

 僕がここにこんなことを書いても、影響なんて無に等しいものでしょうが、今の自民党に勝たせると将来的にロクなことにはならないだろうと、そう思えてならないのです。維新のような“極右”政党は論外として、野党がバラバラで自公に数で対抗できそうな強力な政党がいないことが本当に残念! 世の中が本格的におかしくなるときはこんなものなのかも知れませんが、「これでもまだシリアやエジプト、ブラジル、北朝鮮、中国(何ならアメリカも加えていい)なんかよりはマシだ…」と、低レベルな比較でお茶を濁してすむようなものではないので、つくづく先が思いやられます。
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