「安倍3選」で日本は落ちるところまで落ちる

2018.06.25.15:07

 産経新聞は他の新聞と違って、ネットで多くの記事が無料で読めるようになっていて、それで日本の右傾化に拍車がかかり、ネトウヨがこんなに増えてしまった、という説がありますが、僕に一つ不思議なのは、元々部数が一番少なくてマイナーな産経に、どうしてそんな「経営体力」があるのかということです。背後に誰か強力なスポンサーでもいるのか? その理由を誰か教えてもらいたいものです(前に元塾生の新聞記者――幸い産経でも読売でもない――が遊びに来た時、彼にそのあたり調べておいてくれと頼んだのですが、報告がまだありません)。

 それでこれも無料記事なのですが、産経には【単刀直言】というコーナーがあって、そこに「自民党・二階俊博幹事長『首相3選疑いない』『日本を担うトップリーダーが生半可であっては困るのだよ』」と題された談話記事が出ています。この御仁は麻生と並ぶ“自民党のドン”で、ご両人とも、マフィアのボスか暴力団の組長だと言われてもナットクしてしまうようなご面相の持主ですが、韓流歴史王朝ドラマさながらに、今の日本政治はこうしたヌエじみた“重臣”が陰で支配していて、王(総理大臣)も彼らの顔色を絶えず窺っていなくてはならず、その意向で決まるようになっているのです。時代の“復古”は進んで、それもどういうわけか海を隔てた隣国の李氏朝鮮時代を模倣するようになってしまった。メディアによる批判などというものは何の力も実際はもっていないので、こういう個人のブログなどはなおさらです。

 このインタビュー記事は、実際の政治を牛耳る“自民党のドン”の精神構造を知るという意味で貴重なものです。無料でその貴重な発言を読ませて下さる産経には感謝しなければなりません。段落ごとにコメントを付して、皆様と全文を読んでみることにしましょう。

 安倍晋三首相(自民党総裁)は順調な国政運営をやっています。国民の皆さんは、首相に対する安心感や信頼感がある。国政全体をみて、首相を代えなければならない問題はまったくありません。外交でも、首相はトランプ米大統領と対等に渡り合い、北朝鮮情勢などに対処しています。こういうことも信頼感につながっているのでしょう。

 これに同意するのは、たぶんネトウヨとごく一部の安倍信者だけでしょう。「国民の皆さんは、首相に対する安心感や信頼感がある」とありますが、政治的見解の左右を問わず、僕の周囲でそんなことを言っている人は一人もいません。例の「もり・かけ」問題で、「順調な国政運営」どころではなくなっていますが、数の圧倒的優勢があるので、何でも無理に押し切れば通ってしまう。それを「順調」と評するなら、誰が総理でも「順調」と言えるのです。

「外交でも、首相はトランプ米大統領と対等に渡り合い」と言いますが、他国から見て、あれが「対等に渡り合う」姿だと思っている人はほぼ絶無でしょう。率直に言えば、いい笑いものになっているのです。いや、平身低頭、太鼓持ちそのものに見えても、「言うべきことは言い、譲るべきでないことは譲らない」態度を堅持しているのだと擁護する人もいるかもしれませんが、トランプが「日本はもっとアメリカから武器を購入すべきだ」と言われれば、ただちに「はい、そうします」と答える。トランプにそう言われる以前に、安倍政権になってから「アメリカからの武器購入費用」は激増していて、それもアメリカの言い値で買わされているのです。だから、アメリカの防衛産業や保守派からすれば、安倍政権の存続は大いに望ましいのです。「こんなに防衛装備品をたくさん買っているのだから、工業製品の関税を上げるのは勘弁していただけませんか?」と安倍がトランプに哀願したとして、トランプがそれに応じるかどうかは、それこそトランプの胸三寸で決まるのです。

「北朝鮮情勢」について言えば、前にも書きましたが、トランプ様に「拉致問題のことも米朝首脳会談で触れておいて下さいね」とお願いするのみで、トランプはとにかくそれに触れることはしたというので、感涙にむせばんばかりに「感謝の電話」をして、日朝首脳会談もそのトランプ様の口利きのおかげで実現しそうだというので、はしゃぎ回っているのです。しかし、トランプは、拉致問題も非核化も、おまえの国がたっぷり経済援助をして、北朝鮮が機嫌よく話を聞いてくれるようにしろ、と言っているのです。アメリカに核ミサイルが飛んでくる可能性はほぼなくなったから、脅威が残る日韓は自前でやれ、金正恩はなかなかいい奴で、私とはウマが合う(安倍も同じことを言われた)ので、おまえらがしっかり経済援助をすれば、金正恩も気をよくしてミサイルをぶっ放すなんてことはしなくなるだろう、云々。それがトランプの「アメリカ・ファースト」で、要はテキトーなのです。「こういうことも信頼感につながっているのでしょう」という二階の言葉は、通常の理解能力を持つ人間にとっては、完全に意味不明です。

 9月の党総裁選は、首相の連続3選が着実にレールに乗っています。これを押していけばいいわけだから、3選に何の疑いも持っていません。この夏にソウルで行う志帥会(二階派)の勉強会は、われわれが首相の3選支持を国内外に明らかにする絶好のチャンスと思っています。

 二階流の「内輪の論理」で行けば、そうなるらしいので、彼と麻生あたりが「3選に何の疑いも持ってい」なければ、事実上「安倍3選」は確定なのでしょう。何用あって韓国のソウルで派閥の集まりを行うのかは知りませんが、二階は昔からの親中韓派で、「安倍は朝鮮嫌いだが、私がついているから大丈夫」と言って、文政権を安心させ、「あんた方も反日的言動を慎まないと、国内にも大きな分裂を抱えているんだし、後々ヤバいことになるんではないの?」とチクリとやってくるつもりなのかも知れません。二階にとっては安倍の朝鮮嫌いも、自分の存在価値を高める材料になるので、かえって都合がいいのです。

 首相をとっかえひっかえして「今度、日本の首相は誰でしたか」と話題に出るようでは、国の政治は安定しません。首相自身が党内安定勢力のトップリーダーとして非常にうまくやっているのですから、われわれは全幅の信頼を置いて首相についていきます。

 野党は四分五裂の有様だし、党内にも人がいない(人気のある小泉進次郎はまだ若すぎる)。それは二階自身が地元で「あんなのしかおらんのや」と言われつつ当選を重ねているのと同じです(僕の郷里は二階の選挙区です)。二階のおかげで地域が豊かになったとか、過疎の進展が止まったなどという話は聞いたことがなく、“沈没”しっ放しですが、「他にいない」のでそうなっているわけです。安倍もこれと同じで、「安倍でも仕方がない」と「全幅の信頼を置いて首相についてい」くのとでは大きな違いですが、物は言いようなのです。

 総裁選は、いい候補でなければ出ない方がましだよ。いいかげんな候補に出てもらうぐらいなら、無投票の方がよっぽどいいです。「候補者が出て政策を立派に競い合うのがよい」と思い込んでいる人がおり、その考えは悪いことではないが、日本を担うトップリーダーが生半可であっては困るのだよ。

 絵に描いたような「生半可」は安倍のことで、だから二階には御しやすい相手なのだとは言わない。放言癖で有名なもう一人のドン、麻生は、先月の自民党のパーティで、「政権に復帰した2012年の総裁選に触れ、『暗いやつを選ぶか、あまり頭の良くないやつを選ぶか。だったら、おなかの悪いのが一番いい』と評していたことを振り返った」(時事通信)そうですが、これは石破茂、石原伸晃、安倍晋三をそれぞれ指すと見られていて、自分は頭がいいと思っているらしいことは笑えますが、「言い得て妙」だと一部には評されました。

 二階の言う「生半可」は、憲法改正の妄執にとりつかれている他は、支離滅裂な安倍のような男ではなく、理路整然としたタイプなのでしょう。「『候補者が出て政策を立派に競い合うのがよい』と思い込んでいる人がおり、その考えは悪いことではないが、日本を担うトップリーダーが生半可であっては困るのだよ」という含蓄に富んだ表現は、「反知性主義」政治家、二階の「理屈で政治が動くか!」という理知的なものへの反感がよく表わされています。この点、「論理的」な石破や小泉進次郎は、二階の本能的反発を買う。裏返して言えば、そういうものが大きな働きをする政治では、二階のような政治家は居場所を失ってしまうのです。だから彼のような人間はそれを嫌う。

 石破茂元幹事長は立派な人ですし、総裁候補を3人や5人育てなかったら党の発展はありません。そういう意味で、石破氏は何人かのうちの一人として大いに頑張ってもらったらと期待しています。岸田文雄政調会長ら、その手の人はみなそうです。小泉進次郎筆頭副幹事長も将来性のある一人です。
 ただ、だからといって必要のない総裁選を行い、党内に混雑、混乱をもたらすのは適当ではないよね。総裁選でうまくならなかったらひっくり返るという人は、誰も推さないよ。


 麻生よりはこのへん、物言いが慎重で、気配りも周到ですが、要は「総裁選はやるな。やっても安倍が勝つようにオレは動く」という恫喝なのです。「総裁選でうまくならなかったらひっくり返るという人は、誰も推さないよ」というのは、古いムラ政治家の二階の特徴がよく出ていて、「和を乱す」ような奴、平気で政権批判を続けるような輩は、私的な怨恨でそうしているとしか解釈しないということです。こういうのがキング・メーカーになってにらみを利かせているから、ご本人の言葉とは裏腹に、自民党も「党の発展はありません」ということになってしまうのですが、その自覚はない。

 幹事長というのは、もう毎日毎日忙しくて、大変な仕事です。長くやっていたいとか、引き続きやりたいとは思っていません。淡々と(総裁から)言われた時期を一生懸命こなす。
 新潟県知事選も大変な選挙でしたが、負けると思ったことは一回もありませんでした。勝つためには、いい候補を立てることが一番です。候補が悪かったら勝てないよ。それと、勝つためにベストを尽くしているかどうか。


 新潟知事選で自民党が勝ったのは、あれはそうなるだろうなと僕も思いましたが、自民が推す候補も「原発再稼働」に慎重な姿勢を見せたからです。「国策だから、再稼働に賛成する」と言っていれば、百%落ちた。二階は公明党とも仲良しですが、創価学会の組織票がなければ勝てなかったでしょう。別にとくに「いい候補」だったからではない。尤も、二階は二年前、郷里の和歌山県御坊市の市長選に長男を立候補させ、マイナーなその選挙に国政選挙並の態勢をとって、応援演説に小泉進次郎や稲田朋美まで送り込んだにもかかわらず、ひどい票差で落選するという憂き目を見たことがあるので、あんまり「悪い候補」だとどうしようもないということはたしかにあるのです。

 与党は精いっぱい活動、活躍の場が与えられているのだから、選挙に勝つのは当たり前です。それを確実なものにしていくかどうかを考えるのが、われわれの最大の責任です。11月の沖縄県知事選も勝ちたい。

 これがとんでもない論理なのは、中学生でもわかります。与党が選挙に勝つのが「当たり前」なら、民主主義は機能しなくなる。勝利が「確実なもの」になるように、組織票だの利益誘導だので攻めまくられては、政治的無関心が広がって投票率が低下する中、まともな意見は圧殺される憂き目に遭う。だんだんめんどくさくなってきたので、以下はまとめてコメントします。

 また、重視するのは来年の参院選です。立候補者は人任せにせず、戦いの先頭に立つことが大事です。野党の戦術は(32ある改選1人区に)みんな一緒になってやる以外ない。われわれはそれでも絶対に負けない態勢を整えておかなければなりません。
 来年10月には、消費税率10%への引き上げも予定されています。党内でも(増税を)引き延ばす考えは今のところ出ていません。
 国民にも厳しいことは厳しいと、素直に、率直に申し上げ(増税への)理解を深めていく。この訓練をしっかりやっておく必要があります。これからは、財政にしろ政治にしろ厳しいことになるんですよ。政治をやる者は覚悟しなければなりません。
 今国会の会期延長は、正直申し上げて微妙な問題でしたが、32日間の延長期間があれば慎重な審議ができるでしょう。当然これだけの延長を認めていただいたのですから、実を挙げなければ何のためかとなります。責任を感じながら国会運営をしっかりやっていきたい。
 連立を組む公明党との関係も、これまで通りでいいんじゃないですか。公明党のいう通りやるんだったら「公明党政権」になるよ。そこは公明党の幹部も心得ているさ。ただ、政権は自公で安定して運営していかなきゃいけないでしょう。だから私は1週間に1回、公明党幹部と話し合いの場を持っています。ケンカするまで気付かなかったとなってはいけませんから。丁寧にやっています。
 政権を担うのは大変なことです。苦しいことも厳しいことも、つらいこともあるんだよ。外から見れば「政権をとったらいいことばかり」と思っている人はいるだろうけど、実際はつらいことも厳しいこともみんな担っていかなくてはいけない。その覚悟がなかったら政権なんかに近づくべきじゃないんですよ。(亥子卓志)


 まずこの参院選ですが、自民は定数を6増やす改正(正確には改悪ですが)案を、「一票の格差を是正するために」という名目で成立させようとしています。「国民にも厳しいことは厳しいと、素直に、率直に申し上げ」ると言いながら、国会議員の数を増やすとはどういうことなのか? 大体、あの「もり・かけ」問題なんて、安倍の情実体質丸出しで、そちらは大甘のお咎めなしで、議員の数は増やす、消費税も上げる、厳しいのは皆さんおわかりですよね、というのは通らない理屈です。僕自身は消費税はいずれ上げるしかないだろうと思っていますが、問題はその使い道で、それが有効に活用されるとは思えない。一方で昔ながらの土建屋政治のバラマキやら、国会議員を増やすなんてやってるのですから。他に、自公は今国会中に例の「カジノ法案」も成立させるつもりで、もう少しまともなことが考えられないのかと呆れるのです。

「政権を担うのは大変なこと」で、「その覚悟がなかったら政権なんかに近づくべきじゃないんですよ」と言うが、おまえごときに言われたくないという感じで、「もり・かけ」問題でも、トランプ追従でも、北朝鮮対応でも、今見た出鱈目でも、一体どこに「覚悟」があるのか、さっぱりわかりません。大体、自分の馬鹿息子のど田舎の市長選に、進次郎や稲田朋美まで応援に行かせるのは、政治の私物化の最たるもので、覚悟だの緊張だのがあれば、そういう腐った親馬鹿ぶりを発揮することはないでしょう。

 こういう御仁が今の政治シーンで決定的な影響力をもっているというのは、日本政治が途方もなく退廃したということの証左でしかありません。「さっさと引退しろ!」と、彼の選挙区の有権者になり代わって言いたいが、安倍が3選したとして、任期は2021年までになり、東京オリンピック後に日本経済は本格的におかしくなると予想する向きが多いので、アホノミクスの綻びが露わになって混乱状態になったところで、彼は政権を投げ出すことになります。そのとき憲法はすでに「改正」されているかどうか、知りませんが、いずれこの政権が残したあれこれの「負の遺産」に国民は苦しめられることになるだろうから、そのときに備えた「覚悟」を僕らはしておいた方がいいかもしれません。
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“三流学校のドン”加計理事長記者会見の面妖さ

2018.06.21.15:11

 思わず笑ってしまいましたが、あの尾木ママもこれには怒った由。

尾木氏、加計理事長の会見に怒り「バカにしてる

 この会見の模様はYoutube にもアップされています。これはその2ですが。

加計理事長“問題”発覚後、初の会見 ノーカット2(18/06/19)

 まずこの記者会見場の背景が面白い。加計学園経営の大学・専門学校・高校・中学名が、重複があるのでとくに多い印象を与えるのですが、ずらりと並んでいるからです。むろん、こう言っては失礼ながら、三流どころばかりです。加計孝太郎氏はこれらの学校の頂点に文字どおり君臨しているわけです。

 僕は塾業界が長いので、私立の三流学校法人の理事長や理事というのは、かなり怪しげな人間が多いのをよく承知しています。教育者というより、悪徳不動産屋めいた人物が多い。同族経営が多いので、箸にも棒にもかからないドラ息子が何もしないで給料だけもらっていたりする例もあります(何もしない方がまだマシで、下手に介入して乱暴狼藉に及び、中が無茶苦茶になった例も知っている)。政治家とのコネを使って許認可を得たりするのはこの世界では珍しくないことで、同類の三流どころの間ではそういう人は「やり手」としてむしろ評価されるのです。

 そういうところからすれば、この加計孝太郎という御仁は、典型的な三流学校法人のドンです。たまたま「総理案件」だったのが注目を集めてしまうことになってまずかったので、今まで政治家を使ったことは何度もあるはずです。この記者会見でも加戸・前愛媛県知事のことを親しげに語っていますが、この業界ではそのおかげで同類たちに一目置かれる存在なのでしょう。

 ミもフタもない言い方をすれば、この手の人たちにとって「商売」とは、いかにして無償の土地や補助金をせしめて事業拡張を行うかです。加計学園の場合は、過疎に悩む自治体の「要請」を受ける形にして、千葉科学大でも、今回の今治市の獣医学部でも、有利な条件で開学したのです。むろん、開学の暁には、大学への補助金も別途下りる。定員割れすれば、その分補助金は削られるが、土地はタダだし、校舎の建設費用も一部負担で、後は自治体に出させればいいのです。税金も学校法人なら優遇措置が受けられる。そこらへん、加計学園経営のいわゆるFラン大学であろうと、有名大であろうと変わりはない。率直に言って、甘い商売なのです。

 本来なら、学校経営者にはそうした各種の優遇措置に見合っただけの「高い志」が求められる。しかし、公平に見て、加計孝太郎氏にそんなものがあると解釈するのは無理でしょう。獣医学部も、元々持ちかけたのは加計側ですが、長男が獣医学部を出ていたのと、「獣医学部なら学生集めに苦労することはなさそうだ」という計算からそれを作ろうとしたにすぎない(それで一つでも偏差値の高いところができれば宣伝に使えると考えた?)。しかも、「総理のお友達」という利点を最大限活用したのです。商人として「やり手」ではあっても、教育家のやることではない。というより、彼を「教育家」と見ることの方に無理があるでしょう。僕は人を風貌で判断しますが、あれは教育家の顔ではない。たんなる「政商」のそれです。

「ただのお友達で、首相を自分の事業に利用するなんて考えたこともない」というのが嘘八百なのは、両者がズブズブの関係にあることからも明らかでしょう。2014年、安倍晋三は千葉科学大の「開学十周年記念式典」とやらで挨拶し、二人が「腹心の友」であることを強調した。加計学園は、落選中の安倍の子分の荻生田を同大の「客員教授」として雇った。元文科省官僚で安倍内閣で官房参与を務めた木曽功は、加計学園に天下り、理事になると共に、千葉科学大の学長に就任。獣医学部問題では、古巣の文科省に圧力をかけた。首相夫人アッキーが加計学園の「御影インターナショナルこども園」の名誉園長を務めていた話は有名ですが、森友の講演でも自慢げに話していたミャンマーで教育支援を行っているという話も、彼女はその関係のNPOの名誉顧問でしたが、これも加計がらみのもので、さらに言えば、元劣等生の彼女はエスカレーター式で上がれる大学にすら上がれず、専門学校しか出ていないのに、なぜか立教大の大学院に入学、「21世紀社会デザイン研究科」というのの修士課程を修了しているのですが、これは加計氏の母校で、「軽い口利き」を期待できたからそこをえらんだ、と解釈できるでしょう。もっと驚くべきことは、安倍内閣は加計氏と同じ立教出身の弁護士で、加計学園監事を務めていた木澤克之氏を2016年、最高裁判事に任命したことです。これは「異例の抜擢」と評されたもので、「偶然」と言うには話が出来すぎている。

 こういうのは、むろん、一部にすぎません。次のサイトにはその詳しい紹介が出ています。

「たまたま総理の友人だった」はずの加計学園と安倍政権の繋がりを網羅してみたらこの上ない濃密さでした

 これを見ると、安倍の子分には荻生田以外にも、加計学園経営の大学で「客員教授」のポストを与えられていた政治家が二人いて、下村博文なども加計の世話になっていることは、つとに有名です。同じサイトの別の記事には、千葉科学大開学の経緯について書かれているものもあって、それによればこうです。

 千葉科学大の誘致を行ったのは野平匡邦元銚子市長。この人物は銚子市で育った後に自治省を経て岡山県副知事を務め、2002年には加計学園系列の岡山理科大の客員教授に就任しました。
 そしてこの年の7月に千葉科学大の地元誘致を訴えて銚子市長選を戦って初当選を果たしたのです。その結果2004年に千葉科学大学は開校し、現在に至ります。


 あまりにも露骨な話で、加計孝太郎氏の「政商」の面目躍如です。ついでに言えば、安易に政治家センセに教授ポストを腰掛け代わりに提供するような大学でまともな教育が行われるはずがないのはわかりきったことで、学生のことなど何も考えていないのです。受験生諸君は、学費の無駄なので、同じ定員割れ大学でも、経営者がもっとまともで、教職員が一生懸命やっている大学はいくらもあるので、同じ行くならそういう大学を選択すべきです(少し調べればそのあたりはわかる)。

 あの記者会見については、大阪の地震の後とサッカーのワールドカップの日本の初戦当日を狙ったもので、それも地元のメディア限定にしたというので、「やり口が姑息だ!」と酷評されていますが、内容それ自体が愚にもつかないもので、真面目に論評する価値もないものでした。とにかく形式だけ記者会見を行って、何の証拠にもならない「記憶」を持ち出して否定に終始しておけば、一応「みそぎ」は済んだということにできると、それだけの考えでやったことでしょう。どうせ安倍は、妻のアッキーの証人喚問にも、「腹心の友」の喚問にも応じない。応じたとしても、佐川の二の舞にしかならないのです。とくに「反安倍」ではない日経ですら、次のような記事を載せているほどです。

加計氏、首相面会否定に波紋広がる

 僕らが認識しておくべきことは、今の日本には教育と税金を食い物にして「事業家」と名乗るこの手の輩がいて、加計学園経営の大学や各種学校は永遠に三流のままでしょうが、そういう御仁と「腹心の友」関係の首相が3選を目指しているということだけです。今は梅雨ですが、梅雨は遠からず終わる。こちらの梅雨はいつ晴れるのか、と思います。

日朝首脳会談~功を焦ってただの“ミツグ君”になる?

2018.06.15.12:34

 米朝首脳会談、いわゆるTrump Kim summit に続いて、日朝首脳会談も開かれる見通しになったそうで、あの会談で中間選挙前のトランプが人気挽回をはかろうとしたように、「もり・かけ」問題で瀕死状態にある安倍首相も、何とか拉致被害者の帰国を実現して、これまでバラマキ外交に励んで無駄金を使うばかりで目ぼしい成果はなかった「外交の安倍」をアピールして、支持率の大幅アップと首相3選を実現したいと意気込んでいるようです。

 お困り独裁者との会談に、不信と不人気に悩む二人の国家リーダーが政権浮揚のきっかけを見出そうとするのは、どう見ても美しい図ではありませんが、これが政治というものなのでしょう。

 あの米朝会談については色々な評価がありますが、僕が直後に見た論評の中では次のブルームバーグの見解が、一番正鵠を得たものと思われました。

米朝会談、すべてが勝者中国の思惑通り-日韓は当惑、何も得られず

 この記事にも出てくる米韓軍事演習の中止については、会談後BBCの記者が、ツイッターに次のような投稿をしたそうです。

 Chinese Foreign Ministry announced that Trump would suspend US war games with South Korea before Trump announced it himself at the press briefing. That suggests Kim’s people were on the phone to Beijing straight after the meeting cos they recognized how big a concession it was.

 要するに、トランプが自ら記者会見で語るより、中国外務省が「米韓軍事演習が中止される見通し」と報じた方が早かったということで、これは、金正恩の側近が会談後すぐに親分の中国に「やりましたよ!」と大きな譲歩を勝ち取ったことをご報告に及んでいた証拠だ、というのです。裏にはつねに中国がいた。

 その共同声明の中身について、ニューヨーク・タイムズは、Joint statement promises bold change, but lacks details(共同声明は大胆な変化を約束するが、詳細な記述はない)と評していましたが、同紙は「反トランプ」だから辛口になったというより、西側メディアにはそういう醒めた評価が多かったようです。

 実際、「アメリカと北朝鮮は、朝鮮戦争中の捕虜や・行方不明の兵士の遺骨の回収に取り組むとともに、すでに身元が判明したものについては、返還することを約束する」(NHKによる和訳)という「アメリカ・ファースト」な箇所を除いて、具体的な記述は何もない。アメリカは直前まで、北朝鮮の「完全かつ検証可能で不可逆的な非核化(CVID)」は断固譲らないと言っていましたが、共同声明には「北朝鮮が朝鮮半島を完全に非核化するために取り組むとした、4月27日の板門店宣言を再確認する」とあるだけで、「検証」のための調査団を受け入れるなどの期待されていた具体的な記述はどこにもないのです。たんなる「努力目標」にすぎないから、北朝鮮は気楽に応じることができた。

 いきなりではそこまで踏み込むのは無理だから、これから詰めていくのだろうと好意的な評価をする人はいるようですが、あのトランプにそんな骨の折れる交渉をする気があるのかどうか、かなり疑わしいところです。それよりも、いかにもトランプらしいなと思われるのは、次のAERAの記事にあるような発言です。

 トランプ大統領は会談後の会見で、今回の焦点だった非核化についての具体的な方法や過程を最後まで示せなかった。
 ただ、その一方で非核化に伴う費用をどう負担するか問われると、次のように明快に答えている。
「韓国と日本が大いに助けてくれるだろう」
「私たち(米国)が助ける必要はない。米国はこれまでも様々なところでコストを払ってきた。韓国は北朝鮮の隣国であり、日本もそうだ。彼らが北朝鮮を助けて、北朝鮮を助ける上で素晴らしい仕事を成し遂げるだろう」
 つまり、北朝鮮から求められる莫大な経済支援の費用は、日本と韓国だけで出すべきで、米国は「われ関せず」を決め込んだのだ。


「アメリカ・ファースト」の面目躍如ですが、トランプはその後、「これで北朝鮮の核の脅威はなくなった」と手柄顔で触れ回っており、これも大陸間弾道弾の開発を北朝鮮がやめれば、アメリカ本土に核ミサイルが飛んでくることはなくなるという「アメリカ本位」の話で、中距離ミサイルなどはすでに開発済みなのだから、日本などの周辺国にとっての「核の脅威」は何ら減っていないのです。

 そんなことはワシは知らん。依然として「脅威」を受けている韓国や日本は、自腹を切って北朝鮮のご機嫌を取り、うまくやればいいので、それはおまえらの仕事だろう、と言いたいのです。何せトランプは、駐留米軍費用を全額、日本や韓国に負担させると言って大統領になった男です。大統領就任後、周りに事情を聞いて、さすがにそれは引っ込めたようですが、元がそれなのだから、それぐらいのことは当然言う。

 それはともかく、そのトランプ様に当初から「臣下の礼」をとり、事あるごとに「ははあ、誠にご尤もで…」式の追従を無考えに繰り返して、そのおかげでトランプに気に入られている安倍首相は、彼の口利きのおかげ(これはかなり恐ろしいことですが、他のパイプは何もないのです)で日朝首脳会談にこぎつけられそうになったのです。産経によれば、

 米朝首脳会談で、トランプ氏は「完全な非核化を実現すれば経済制裁は解くが、本格的な経済支援を受けたいならば日本と協議するしかない」との旨を金氏に説明。その上で「安倍首相は拉致問題を解決しない限り、支援には応じない」と述べたとされる。

 ということで、「本格的な経済支援を受けたいならば日本と協議するしかない」というのがこわいところで、「拉致問題の解決」の見返りにどれほど多くのものを要求されるか、わかったものではないのです。「非核化」についても、北朝鮮に重い腰を上げさせるためにどんどん支援しなさいと、大旦那のトランプ氏から言われるのです。

 にしても、気に入らない側近を次々処刑してきた金正恩は、「平和な国の独裁者」に見事変身を遂げることができるのでしょうか? 好意的に見る人は、彼は環境ゆえにそうなるよう強いられただけであり、本質は違うのだと言うかもしれませんが、宗教的回心でもあればともかく、人間はそうそう変わるものではないので、僕は懐疑的です。父親の金正日と較べても、彼は一段と残忍さが目立つからなおさらの話。

 かつて韓国は金大中、盧武鉉時代、「太陽政策」というのを取りました。今の文大統領は同じ系譜に属する政治家ですが、南北融和を重視して、経済援助などを盛んに行ったのです。南北首脳会談もそれぞれの時代に、1回ずつ行われている。今回の文政権による板門店首脳会談は3回目で、同じ流れに位置付けられるでしょう。にもかかわらず、かつての「太陽政策」は目ぼしい成果を上げなかった。それどころか、北朝鮮は盧武鉉大統領の時代の2006年、国連の反対を押し切って核実験を強行したのです。そして今に至る。

 韓国にしてからが、「最終的かつ不可逆的」だったはずの慰安婦合意を、「あれは前の朴政権が民意を無視して勝手に行ったものに過ぎない」として、文政権になってから反故にすると言い出して、「そんなのありかよ」と日本人を唖然とさせたのですが、こう言っては「差別的」だと叱られるかもしれませんが、事大主義の李氏朝鮮の昔から、朝鮮半島国家の外交政策に一貫性のないことは有名な話です。

 歴史は繰り返すだけではなく、進歩することもあると見たいのですが、トランプが足元を見られたのと同じで、支持率低下の安倍政権も足元を見られて(やはり背後に中国の「助言」があるでしょう)、過大な経済援助の約束だけさせられて馬鹿を見ることのないようにしてもらわないと、将来に禍根を残すだけの結果になります。

「難しい隣人」をもった場合、個人なら引っ越すことができるが、国家ではそうはいかず、これは宿命みたいなものです。あれこれ考えていると溜息が出ますが、一市民がこういうことをとやかく言っても仕方がないので、政治家・関係官僚の深謀遠慮と粘り強い交渉力に期待するしかありません。安倍政権がこれで「得点」を挙げて、支持率を再び上げ、3選への道筋をつけるという展開は、僕にはゲンナリさせられる話ですが、失敗されるとモロに「国家の損失」なので、かなり複雑な心境です。仮にうまくやれたとして、それは「安倍だからできた」のではなくて、「あの安倍でもかろうじてできた」のだと理解すると、支持率に変わりはなくて、そのまま退陣ということになるかと思いますが、そういうところ、日本人はほんとに甘いですからねえ。

最低国家~首相の嘘のせいで渋滞する行政と政治

2018.05.31.15:23

 安倍晋三は今や「日本社会最大のストレス要因」です。元はといえば、全部彼の嘘から始まっている。「私や妻が関係していたのであれば首相も国会議員も辞める(森友問題)」「私の関与は一切ない。加計理事長から獣医学部の話を聞いたことは一度もなかった(加計問題)」など、見え透いた嘘を断言調でついたことと、それが嘘であることを頑なに認めようとしないことから、忖度官僚の虚偽答弁、文書の廃棄や改竄も始まって、行政も国会審議も停滞しているのです。

 異常な教育方針を掲げた森友の小学校用地の異例の値引きが「総理夫人案件」ゆえに行われたことは明白だし、加計学園の獣医学部認可が「総理のご意向」ゆえに成功したことはもはや疑う余地がないが、これだけ証拠や証言がゾロゾロ出てきても、彼は認めないので、こういうことになってしまうのです。

 なかでも財務省は最悪で、これに品性下劣な福田事務次官の女性記者相手のセクハラ問題が加わり、さらに、麻生副総理兼財務大臣の火に油を注ぐようなトンデモ発言連発が加わって、しかし、安倍政権は麻生の支持なくしてはもたないから、これを解任することもできず、今に至る、というわけです。

 それで国富、税金が無駄なことにばかり消尽されている。国会が迷走して、「もり・かけ」問題の不毛な議論に終始するというのは、すなわち議員歳費が浪費されているということだし、先頃は、残っている文書を出せというので、財務省は新たに4千枚の文書を提出したという話ですが、その膨大な書類の山の写真(下の記事を参照)を見て僕は驚きました。

財務省が国会に提出した交渉記録のPDF

 こういうのを、たぶん出席予定議員の人数分印刷したのでしょうが、それ以前に文書を整理して分類しなければならないし、ネットのホームページにも載せたそうで、職員たちは大童でそういう、元々は「やる必要の全くない」仕事を強いられたのです。改竄指示の際には近畿財務局の職員が自殺しているし、廃棄の際にも「どれを捨てるか」ということで、つまらないことにエネルギーと時間をとられたでしょう。虚しい仕事としか言いようがないが、そういうのは全部、安倍の嘘から始まったものなのです。その職員の給与はむろん、税金から支払われている。

 ぞっとさせられるのは、彼の嘘の“私(わたくし)性”と、言葉の軽さです。未熟な人格の持主のこれは一大特徴と言えるものですが、彼らは勢いやはずみで嘘をつく。安倍も同じですが、いったん嘘をついてしまうと、今度は頑なにそれが嘘だったことを否認するのです。

 その軽さにおいては女房のアッキーも同じなので、首相夫人の立場もわきまえず、未熟な判断に基づいて、安易な口利きをする。それが公私混同の無責任なええかっこしい(関西弁ではそう言います)だということがわからず、森友問題だけではなかったようですが、社会的公正を害するようなことを平気でやらかして、それが夫の窮地を招いたのです。彼ら夫婦の共通点は、どちらも名家に生まれたが、若い頃ろくすっぽお勉強せず、能力もあまり高くなくて、そのため妙なコンプレックスを抱えてしまい、それを“補償”しようとして中年になってから「国家」だの「神様」だのにとりつかれ、自分勝手な「使命」感をもつようになってしまったことです。それがひいては「国家社会の迷惑」になることも知らずに。

 一般世間にもそうざらにはいないほどの低レベルな夫婦が首相夫妻になってしまったというところに、問題の根本原因があります。ふつうならそれがわかった時点で自民党内で自浄作用が働いて、安倍は退任し、別の人が新総理になるという展開になるはずですが、それがそうはならないというところが深刻なのです。

 安倍晋三個人としては、ほとんど妄執と化している「憲法改正」を成し遂げるまでは政権の座から降りたくないということなのでしょうが、その憲法改正も、何か明確なグランドプランに基づくというものではなくて、ただ「自分の手で改正した」という“実績づくり”自体が目的なので、「偉大な祖父も成し得なかったことを出来の悪い孫の自分がやった」ということで、個人的なコンプレックスの補償がしたいのです。事実としては、一部の右翼勢力がそれを利用しているということでしかない。

 そのためには「もり・かけ」問題では嘘をつき通して、「野党やマスコミがしつこいだけ」ということで世論がうんざりするのを待って乗り切るしかない。そういうことなのでしょう。彼にとってその妄執は「大義」なのであり、ほとんど明治維新の志士気取りなのです。

 最新の世論調査でも不支持は支持を大きく上回ったままですが、有権者が「代わりがいないからあれでも仕方がない」と諦めムードになる政治状況は真に深刻です。「浦島太郎の経済学」と揶揄されるアベノミクスに対する幻想はすでに消え、日銀の「異次元の金融緩和」は「出口戦力」次第ではとんでもないことになりかねないと懸念され、財政赤字はさらに積み上がり、外交でも見るべき成果はほとんどないと多くの人が冷静にそれを評価するようになっているにもかかわらず、二階や麻生といったドンが「神輿を変えるまでもない」と判断しているから、政権は続いているのです。

 そういう自民党自体が異常ですが、「『ポスト安倍』を狙う石破茂・元幹事長の政権批判が熱を帯びている」にもかかわらず、「党内の視線は冷ややか」なのだそうで、「背景にあるのが石破氏の離党経験と『正論』をぶち上げる姿勢への拒否反応だ。中堅議員は『安倍政権を批判したいだけ』。政権幹部は『自民党員は苦しい時に後ろから弾を撃つタイプを一番嫌う』と指摘する」(朝日5/30記事)という話で、そういう次元の低い仲間意識の中で終始しているからこそ、何も変わらないのです。僕は石破氏のあの妙にじとーっとした語り口に違和感を感じる者の一人なので、積極的に彼を推す気になれないのが残念ですが、煮え切らない岸田も今一つだし、「国民的人気」を誇る小泉進次郎はまだ若すぎるというので出ないだろうし、政権交代を可能にするような強い野党も存在しない。そういう「ビミョーすぎる」状況の中で「安倍3選」が行われようとしているのです。

 昔の自民党の某法務大臣の言葉をもじるなら、「この程度の国民ならこの程度の政治と総理」ということになるのでしょうか? いっそ総理夫人アッキーを総理大臣にしてみたら、「神様のお導き」によるオカルト右翼巫女政治ということになって、21世紀の卑弥呼と呼ばれ、大混乱のうちに日本社会は崩壊して、次のステップに進まざるを得なくなり、問題解決も早いかもしれません。

 発達障害を抱えた小学生みたいな安倍の嘘に付き合わされて、政治も行政も停滞して、国全体にイライラが広がる。わが国が三流国家になり下がった、何よりの証拠です。昨日、歯医者の待合室でテレビを見ていたら、日大アメフト部の内田前監督と井上前コーチが、「自らの保身のために嘘をついたことは明らか」だとして、関東学生アメフト連盟から除名処分(永久追放に相当する由)を受けたというニュースをやっていましたが、安倍の嘘も、常識からすれば明白なので、しかし、首相という大権力者の地位ゆえにそういうまともな懲戒は回避されるのです。この春から小学校では「道徳」授業が正課となったそうですが、どの面下げて僕らオトナは子供に道徳を説くのですかね?

加計「首相との面会なし」コメントの読み方

2018.05.27.17:37

 日大アメフト部の事件をめぐって、監督・コーチの記者会見がひどすぎたというので、「危機管理能力の欠如」がとやかく言われましたが、これもお粗末さにおいてはひけを取らないものです。まず、「安倍応援団」産経の「加計『首相との面会なし』愛媛県に『誤った情報与えた』とおわび」と題した記事から。

 学校法人「加計学園」は26日、愛媛県今治市の獣医学部新設に関し、安倍晋三首相と学園の加計孝太郎理事長が平成27年2月に面会したとの記載がある県の新文書について「当時の担当者が実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えた」とするコメントを発表した。
 その上で「担当者の不適切な発言が関係者の皆さまに迷惑を掛け、深くおわびする」とした。 
 コメントでは、不適切な発言をした担当者が「当時は獣医学部設置の動きが一時停滞し、打開策を探している状況の中で活路が見いだせるのではないか」と考えたと説明している。
 愛媛県の新文書によると、27年2月25日に首相と加計理事長が面談。加計氏が同県今治市で国際水準の獣医学教育を目指すと説明したのに対し、首相は「そういう新しい獣医大学の考えはいいね」とコメントしたと記載されていた。


 もう一つは、反安倍メディア、朝日の「愛媛知事『偽りあるなら謝罪を』加計学園コメントを批判」という記事です。

 学校法人「加計(かけ)学園」が、愛媛県今治市への獣医学部新設を巡り、加計孝太郎理事長と安倍晋三首相が面会したと記されている愛媛県の文書について「誤った情報を与えた」とするコメントを発表した問題で、中村時広・県知事は27日、報道陣の取材に応じ、「県に連絡がない。県としては正式にいただくまではコメントを控える」と話した。
 県が21日、参院に提出した関連文書には、安倍首相が15年2月25日に加計氏と15分程度面会したという学園から県への報告内容が記されていた。首相が「そういう新しい獣医大学の考え方はいいね」とコメントしたという記述もあった。
 これまで首相と学園は面会の事実を否定してきたが、今治市の菅(かん)良二市長も25日、市職員が学園から面会について聞いていたと明らかにしていた。学園は26日、「(当時の担当者に確認したところ)実際にはなかった総理と理事長の面会を引き合いに出し、県と市に誤った情報を与えてしまったように思うとの事でした」というコメントを報道各社にファクスで送ったが、記者会見は開いていない。
 中村知事は「一般論としては、偽りがあるなら市と県に謝罪し、責任者が記者会見するものと思う」と学園の対応を批判。「県としては話した内容をそのまま(文書に)載せた」と話した。(前田智)


 これをもって安倍シンパは「やはり首相は会っていなかった。この件を安倍降ろしに悪用しようとした左翼メディアの卑劣さを見よ!」なんて言い出しそうですが、加計学園がそう言ってるからといってそれが正しいという保証はないわけだし、仮に本当だったとしても、総理の後ろ盾を強調して事を実現しようとした加計の魂胆が明らかになり、認可プロセスが「公正」なものではなかったことを自ら白状したようなものです。

 わかるのは、「腹心の友」と呼び、ゴルフや会食をしばしば共にするだけでなく、自分が経営する大学(深刻な定員割れが取り沙汰される千葉科学大学)の記念式典にまで出席して祝辞を述べるなど、学校経営者としての地位を大いに高めてくれた安倍首相に対する加計孝太郎氏の、これは「恩返し」のようなものだろうということです。こういうコメントを発表すれば、「会っていない」という首相答弁が正しかったことになる。そうすれば、これまで安倍は取り繕いようのない嘘をさんざん並べ立ててきたわけですが、それらが真実であったかのような印象を与える効果も期待できる、というわけです。

 有名な「オオカミ少年」の寓話があって、ウィキペディアの説明ではこうなっています。

 羊飼いの少年が、退屈しのぎに「狼が来た!」と嘘をついて騒ぎを起こす。だまされた大人たちは武器を持って出てくるが、徒労に終わる。少年が繰り返し同じ嘘をついたので、本当に狼が現れた時には大人たちは信用せず、誰も助けに来なかった。そして村の羊は全て狼に食べられてしまった。

「日本ではイソップの話であるとして、狼に食べられるのは羊ではなく『羊飼いの少年』とする寓話がいくつも存在する」とあって、僕も小学生の頃読んだのはそちらのバージョンだった気がするのですが、いずれにせよこれは「人は嘘をつき続けると、たまに本当のことを言っても信じてもらえなくなる。常日頃から正直に生活することで、必要な時に他人から信頼と助けを得ることが出来るという教訓を示した寓話」なのです。安倍晋三少年は一度もこのためになるお話を読んだことがなかったようですが…。

 何にせよ、この加計学園の不可解なコメントは、「疑惑の払拭」を可能にするようなものでは全然なくて、「総理がらみの不正」を明白にするものでしかないということです。悪いのはひとえに「不適切な発言をした」「当時の担当者」であって、加計理事長や学園本体は関係ないと言えば、腐敗した組織によくある「トカゲのしっぽ切り」でしかないと批判されるでしょう。上に見たような理由で「総理を守る」こともできないし、無意味としか言いようのないコメントです。

 ついでに、経緯はどうあれ、加計学園=岡山理科大学の獣医学部は受験生が殺到して大成功ではないか、と言っている人にも反論しておくと、あんなもの、「成功」のうちには入りません。塾商売をしている人間の目からすると、スベリ止めのスベリ止めに利用する受験生が多かったのと、従来なら学力的に獣医は無理な受験生も受けたこと、「一体いくつあるのだ?」と呆れるほど試験の回数を多くして、一回ごとの定員を少なくしたから、見かけ倍率が高くなっただけの話です。「推薦C方式」なるものでは、定員21人に対し、193人もの合格者を出して話題になりましたが、 それはほとんどの合格者に蹴られると読んだからです。

 韓国でも嘘まじりのパンフレットまで配布して大募集したそうですが、結局、定員200名に対する実際の入学者は186人(獣医学科147人、獣医保健看護学科39人)にとどまった。獣医学科の定員は140人なので、そちらは充足しましたが、前にここでも「間違いなく定員割れする」と“予言”しておいた獣医保健看護学科の方は60人の定員に対し、初年度から39人の入学者しかいなかったのです(海外からの留学生は、獣医のみで、韓国7人、台湾2人)。全体に占める四国出身者は約12%の22人で、特別推薦の「四国で活躍する獣医師を積極的に育てる目的の『四国入学枠』の合格者が4人にとどまり、当初『最大20人程度』とした枠の5分の1だったことが分かった。志願者が6人だけで、大学側は『四国に獣医学部を置く目的の一つであるだけに残念。2019年度は周知を徹底したい』としている」(毎日新聞3/21)といったお粗末な内情も加わるのです。

 これに「愛媛県は今年度から3年間で計約31億円を支援」させられることになり、「今治市は学園が示した校舎建設費約192億円の半額までの補助を決め、その3分の1(約32億円)を上限とする支援を県に要請」していたのであり、今治市の負担は県の倍額になるということですが、むろん国も私学助成金を支出するのです。「獣医は足りている」のに、こういう余計なことをする。元々は加計理事長の長男が獣医師だったところから、「獣医学部なら設立も学生集めも容易だ」とその新設を彼は思いついた(元々今治市がそういう考えをもっていたのではない)のだと言われ、息子を教授の一人にして、ゆくゆくは学長にでもするという魂胆だったのでしょうが、そういう彼個人の「私意」に振り回されて、自治体も国も莫大な出費を強いられることになったのです。全体が傍迷惑な、馬鹿げた話に思われます。

 加計学園本体にとっても、この件で悪名をとどろかせたために、経営する大学全体の志願者・入学者をさらに減らす羽目になった。元々無名私大のほとんどは定員割れで、前途が危ぶまれるところも少なくありませんが、加計学園系列の大学は定員を充足していないものがほとんどです。それに加計理事長の行動は拍車をかけたわけで、まともな組織なら理事長追放運動が起きても不思議ではありません。それで経営が悪化すれば、立地自治体もその尻拭いを強いられ、税金がまた無駄に使われるわけで、安倍の「腹心の友」はたいそうご立派な人だと言わねばなりません。

 巷間、加計の獣医学部の入学者は全国の獣医学部学生の「最低辺」でしかないので、獣医師の国家試験で苦労するだろうと言われていますが、それにはスパルタ式対策授業や、受かりそうな学生しか受験させないという戦略で「高い合格率」を示せるようにするでしょう。それが低かったら、とたんに見かぎられてしまうからです。だからそちらはそれなりの結果を出すでしょうが、教員もかき集めのようだし、「先進的な獣医学教育」など期待すべくもない。安倍晋三と加計理事長の「うるわしい友情」によって実現したこの新規獣医学部のプラスとマイナスはどちらが大きいか、現実的に考えれば誰にでもその判断はつけられるでしょう。僕が一番同情するのは今治市民で、それで財政赤字が深刻化することになれば、他の面で色々とばっちりを食うことになってしまう。「黒い猫でも白い猫でも、獣医学部を作ってくれるのがよい猫だ」という加戸・前愛媛県知事の迷言(全くもって、あれはたわけたじさまです)がありましたが、やはり猫はえらぶべきだし、今治市は少子化が進む中、大学の誘致それ自体のリスクをもっと考えた方がよかったのではないかと思われるのです。


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