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久しぶりに安倍政権

2020.02.21.16:55

 最近の世論調査では不支持が支持を上回っているそうですが、その理由として挙げられるのは、例の「桜を見る会」の公私混同だとか、消費税値上げによる経済の悪化だとか、新型コロナウイルスの件で習近平に“忖度”しすぎて対応が後手後手に回りすぎたせいだとか、たんに国民がいい加減飽きてきたからだとか、色々あって、どれが理由なのだかわかりません。僕自身は前から全く支持していないので、「桜を見る会」の一件にしても、いかにも安倍がやりそうなことだと思って、ほとんど関心をもちませんでしたが、この前の黒川検事長の定年延長の件は、彼が安倍政権べったりだから法や慣例を無視してまで特別待遇をしたのは間違いないので、その韓国文政権顔負けのお友達人事にはあらためて呆れました。「あんたら、似た者同士なのだから、もっとうまくつきあえるんじゃないの?」と皮肉の一つも言いたくなるほどです。

 次は、ハーバー・ビジネス・オンラインの記事です。これを見ると、あの「桜を見る会」のひどさがよくわかるので、関心があまりなくて細かい点をよく知らなかった僕には勉強になりました。ヤンキー政治家・安倍晋三の面目躍如といったところで、これならあのトランプの方がなんぼかマシかもしれないと思えるほどです。二階のじさまなど、まだ「安倍四選もありうる」なんて言ってるんでしょうかね?

「私」のために「公権力」を行使する安倍総理<小川淳也氏>

小川:いま安倍長期政権の澱や膿が噴き出しているが、それらは安倍晋三という個人から出てきたものだと言わざるをえない。森友・加計・桜にしろ、法制局・検察人事への介入にしろ、一連の問題に共通するのは権力の際限なき広がりです。安倍晋三という人物の根底には、あらゆる領域に自己の権力を拡大していくという拭い難い傾向がある。しかも厄介なことに、本人はその傾向に無自覚なのです。だからこそ、安倍政権の権力は自制が利かず、半ば無意識的に際限なく拡大している。
 森友・加計・桜で言えば、安倍総理の権力志向に身内びいきが相まって、お友だちに便宜を図るために公権力が行使されている。安倍総理は公私の区別がつかず、権力を見境なく広げているのです。


 これは尤もな指摘ですが、常習的な嘘つきである彼は、悪びれるふうもなく、その場しのぎの嘘をついたり、論点をずらして別のことを言い、相手の発言に下等なヤジを飛ばしたりするので、それで問題が際限もなく長引き、それを見てウンザリした国民は、「野党もしつこすぎる」と思ってしまって、結局は安倍に有利に働くのですが、このあたり、オウムの麻原とほんとによく似ています。麻原は総理大臣になりたかったのですが、安倍のように名門政治家の家に生まれていれば、殺人の指揮者になる必要もなくそのポストに就くことができ、総理大臣になったら、今の安倍とそっくりのやり方をしていたでしょう。違いは、麻原は“性豪”で、女性信者相手に「セックス・イニシエーション」を繰り返して、たくさん子供を産ませていたが、安倍はその方面はおとなしいということぐらいです。

――世論調査では大多数の国民が「総理の説明に納得できない」と回答しています。しかし、政権支持率は落ちない。国民は安倍総理が嘘をついていると知りながら、安倍政権を支持せざるをえない状況です。
小川:それは野党が安倍政権に代わる選択肢になりえていないからですよね。そのため野党がいくら安倍総理の嘘を暴こうが、国民は安倍政権を支持せざるをえない。その意味では、与野党問わず日本の政界が国民を傷つけているのかもしれない。

――乱暴な例えですが、父親(自民党)は家庭内暴力を振るう。母親(野党)はそんな父親をヒステリックに罵る。しかし子供(国民)は母親と家出しても生活できるとは思えないから、父親の暴力に耐えながら生活する道を選ぶしかない。そういう状況に見えます。
小川:何となれば、国民は一度野党に政権を任せて失敗しているわけです。そのトラウマがあるからこそ、自民党政権のもとに留まり続けている。その中で野党が自民党を批判すればするほど、自民党以外に選択肢がない国民は惨めになり、諦めを深めるのではないか。現在の政治不信はここから来ているのかもしれません。


 これも冷静な分析です。質問者の「たとえ」がうまくて、思わず笑ってしまいますが、こういう政治状況はアメリカや韓国でも共通していて、アメリカの場合、民主党は、この前のオバマの例を見てもわかるように、「リベラル」だの「社会的弱者の味方」だのはたんなる看板にすぎず(オバマ最大の“功績”は、ドローンで最も多く人を殺した大統領ということだけでした)、共和党と似たり寄ったりだから、期待はできないと国民は思っていて、韓国の場合、最大野党の自由韓国党は、「腐敗した既得権益層の代弁者」というイメージがつきまとっているから、いくら文政権の腐敗・堕落ぶりが明らかになっても支持率があまり上がらないのです。わが国の立憲民主党なども、大手労組が支持母体になっているのが逆に災いしているので、大企業の正社員とそれ以外の賃金格差が拡大する中、「あんなのに任せても、大手労組の言いなりになるだけで、他には何もできやしない」と思われているのです。労働者の中でも、大手労組の加入者はごく僅かでしかないのだから、恩恵には乏しい。だからゲリラ的なれいわ新選組の山本太郎の株が上がったりするわけです。

 だから、結局のところ、自民党内での「政権交代」しかなさそうだという話になって、しかし、あまりぱっとしたのがいない。主体性がなく、優柔不断で“禅譲”を待つ岸田文雄あたりは、頼りなさすぎるというので支持は上がらず、「反安倍」の“軍事オタク”の石破茂なども、最近はあの妙に勿体ぶった語り口が前よりはマシになったようですが、党内支持が弱く、こう言っては失礼ながら、女性に好かれるタイプでもなさそうなので、「選挙の顔」にするのは難しい。小泉進次郎は若すぎる上に、大臣をやらせてみたら下手な英語で「セクシー」とか何とか、よりにもよって環境問題を話し合う国際会議で洒落にもならないことを言ったりするだけで、たんに人気が先行していただけなのではないかと疑われるようになった。年上の「おもてなし」アナウンサーと結婚したのはいいが、ついでに女性スキャンダルが続出して、それも恰好のいい性質のものではなかった。…というふうに見てゆくと、「どれが比較的マシか」というレベルの選択にしかならないので、有権者の憂鬱は深まるわけです。だから、今までマスコミに取り上げられなかっただけで、「おお、こういう人がいたのか!」というダークホースの出現が待たれるのですが、今の自民はかつてないほど人材が枯渇しているように見えるので、それもあまり期待できないかもしれない。

 僕が不思議に思うのは、イギリスのジョンソンなんかもひどいものですが、政治がうまく機能していると見える大国はほとんどないことで、経済的な行き詰まりと同時に政治的な行き詰まりも深刻化していることです。それでどの国の国民もイライラと欲求不満を募らせているが、その挙句出てきたのがヒトラーみたいな政治家だったということになると、洒落にはならない。

 ある友人が言うところでは、「こういうのは行くところまで行かないとどうしようもない」そうですが、行くところまで行ったら救世主が出てくるわけではないだろうから、安倍にはオリンピックを花道として引いていただくとして、その後始末が大変だろうなと思います。別に飛び抜けた政治家が出てこなくてもいいが、もっと「ノーマル」な政治家に総理大臣はやってもらいたいと思うので、友人にそう言うと、「今は政治も経済もアブノーマルなのだから、ノーマルな人間がいると思うのがそもそもの間違い」だと叱られてしまいました。

 じゃあ、どうすればいいんですかね?

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新型肺炎は習近平独裁崩壊の序曲となるのか?

2020.02.18.15:12

 まずは前回の続きです。同じ大紀元のサイトに昨日次のような記事が出ました。

習近平主席、「生物安全」の法整備急ぐ 新型コロナウイルスの発生が念頭か

 習主席は2月14日、党中央深改委会議で、「経験と教訓を活かし、今回の疫病で露呈した不足に対し、抜け穴を塞ぐのを急がなければならない」とし、生物技術の応用を規範化する「生物安全法」を早急に発足させ、国家生物安全法律法規の体系および制度的保障の体系の構築を加速するよう求めた。

 中国流に曖昧模糊とした言い方ですが、これが今回の新型コロナウイルスの問題を受けたものだとすれば、「人工説」に裏書きを与えたも同然です。記事の後ろの方に進むと、驚くべき箇所が出てくる。

 中国共産党の公式軍事ポータルサイト「西陸網」は1月26日、文章を発表し、武漢ウイルス研究所の石正麗研究員とそのチームがコロナウイルスを生成し、流出させたと指摘し、新型コロナウイルスが人工的に合成されたものであることを認めたと見なされた。文章はその後まもなく削除された。

 今の習近平支配の中国にあっては、ネットに出た「真実の声」は、その比類のない検閲能力で知られる「ネット警察」によってすぐに削除されるのがふつうです。フェイクだから消されるのではない、当局に不都合と見なされると消されるので、皮肉なことに、世界レベル、中国人民レベルでは、そういうものは中国共産党の御用メディアに出る「大本営発表」よりずっと信憑性が高いと見なされるのです(上の「西陸網」の記事は、消されるのを承知で軍内部の良心派が載せたものだったのかもしれません)。

 これは同じサイトの別の記事にも出ていますが、去年の12月段階でSARS(この段階ではそれが別の型であることがわからないのは当然)が発生した可能性があるとSNS上で警告を発した眼科医・李文亮氏(2月になってから、新型肺炎で死去)など、当局からほめられるどころか、「虚偽の風説を流布」したとして警察から「処分」を受けていたのであり、その後それが「虚偽」ではなく「真実」で、当局が隠蔽をはかっていただけだと判明したので、訃報が伝えられると、彼は英雄視され、「微博では、7日早朝の午前4時にもかかわらず、『李文亮医師死去』と『李文亮死去』はトレンド1位と2位になった。閲覧総回数は6億回」というほどになったそうですが、「世論の強い反発を受けて、中国当局はネット検閲を強めた。『李文亮医師死去』が微博のトレンド1位になってから、わずか15分で7位まで下がった」という手際のよさで、それは世界的なニュースとなって、「さすが中国共産党!」と、不信にさらに輪をかける羽目になったのです。ウイグル人に対する非道な弾圧もやんでいないようだし、習近平政府の評判は悪くなる一方です(それをわれらが安倍政権は「国賓」として丁重に出迎える手はずを整えているようですが)。

 中国は問題解明のためのアメリカ政府の協力も拒んだ。同じ大紀元の「米高官『がっかりだ』中国が米国専門家の招待を拒否 感染情報の不透明さにも苦言」という記事には、こう出ています。

 米トランプ政権の国家経済委員会ラリー・クドロー(Larry Kudlow)委員長は2月13日、新型肺炎COVID19の蔓延する中国が、世界保健機関(WHO)調査団の中に米国の専門家たちを組み入れることを拒んだことに「がっかりだ」と述べた。大統領府で記者団に答えた。

 米国は、米国疾病予防管理センター(CDC)の専門家を派遣することを中国に提案していた。「米国で最も聡明な人々を送る計画は、アジール保健長官と大統領がオーバル・オフィス(大統領執務室)で会議した結果と推測する」「公衆衛生チームの一部の専門家たちはかなり失望している」と述べた。


 これはお粗末な医療体制を知られることだけでなく、アメリカの優秀な専門家たちによって新型ウイルスの「由来」が解明され、それが人工的に合成されたものであることを暴露されるのを何より恐れたからでしょう。そうなったら世界から非難が殺到するだけでなく、誰より中国国民が激怒する。各地で暴動が起きるのは確実で、習近平政権は完全に支持を失って、崩壊に追い込まれてしまうからです。

 しかし、「新型ウイルス=人工説」がなくても、習近平政権は今回の件で深刻な危機に陥っているようです。次は「現代ビジネス」の昨日17日の古畑康雄氏による記事。

「人民は激怒…」中国改革派学者が発した檄文「衝撃の中身」

 この「清華大学の教授、許章潤先生」が当局に逆らって停職処分を受けているという記事は僕も他で何度か見た記憶がありますが、今回の新型ウイルスの件で激烈な習近平政権批判文を書いた、というお話です。その「批判」の中身は直接記事をお読みいただくとして、この教授だけではない、呼応するように、「北京大学の張千帆教授(憲法学)は、『ウイルスを防ぐために、中国は憲政民主を必要としている』という文章を発表(ニューヨーク・タイムズ中国語版にも掲載)」したというのだから、これを機会にリベラル派の学者たちが次々立ち上がり始めたということです。清華大学と北京大学は中国トップを争う名門大学で、世界大学ランキングの類では日本の東大や京大よりずっと上に来ていますが、そこの教授たちが正面切っての習近平政権批判に乗り出したというのだから、中国国内でもインパクトは大きいはずです。これまでも中国政府は人権派弁護士の一斉検挙など、法治国家にはあるまじき非道を繰り返してきましたが、世界的に名の知れた学者まで弾圧するようになると、恥の上塗りになって、国際的な信用の低下はすさまじいものになる。北朝鮮並の恐怖政治を敷く野蛮国家とみなされるようになるのは確実です。昔の天安門事件のときのようなやり方はもはや通用しない。

 少し長くなりますが、上の記事の北京大学の張千帆教授の批判の部分を引用します。非常に説得力があって、なるほどと思えるものばかりです。

「武漢肺炎では昨年12月中下旬に感染が確認されたのに、湖北省も武漢市も事実を公表し社会に予防を呼び掛けることなく、それどころか人々に湖北省への旅行を奨励した。李文亮医師らは微信でウイルスのリスクを提示したが、当局はウイルスの問題を解決するのではなく、問題を提起した李氏を『解決』し、『デマを流した』として警察が処罰した。1月18日、湖北省の人民代表大会終了後ようやく、感染データの公表を再開したが、武漢市では4万人が(料理を持ち寄って)集まる「万家宴」を開くなど、あまりにも愚かだった。この間少なくとも3週間の防疫のための時間を無駄にし、一体どれだけの人が感染しただろうか。」

「憲政が実施される民主国家では、今回のような危機はおそらく当初から発生しなかっただろう。言論と報道の自由が新型コロナウイルスを初期段階で防ぐことができるからだ。言論と報道の自由は人々に知る権利を与え、ウイルスの感染防止に役立つ。これは2003年のSARSで得た教訓だが、17年たってもいまだに言論と報道の自由は進歩しないどころか、むしろ深刻な後退をしている。武漢市は感染の深刻さを隠蔽し、8人の『デマを流した』人を取り締まり、物言えば唇寒しという恐ろしい雰囲気を作り出した。私は1月18日に武漢の体制内の学者に聞いたが、『それほど深刻ではない』という答えだった。もし言論と報道の自由が開放されていたら、武漢さらに全国で『都市封鎖』」始まってからようやく感染防止に乗り出すというようなことがあっただろうか。」

「憲政民主の重点は民主であり、民主の心臓は議会であり、議会の活力は選挙である。湖北省の人民代表大会が1月12~17日にどのように開いたのかは知らない。だが人民代表大会が真の選挙で選ばれたのでないことは間違いない。でなければこれだけ大規模な感染が広がっているのに、誰も代表が発言しないことはありえないからだ。(正しい選挙が行われていれば)湖北省や武漢市の省長、市長は情報の封鎖や感染の隠蔽をしなかっただろう。武漢市長は今回の感染状況について、中央政府には報告していたが、現地の大衆は全く知らなかった。」

「上には従っても下には従わない、その根本原因はこの市長が武漢市の人民代表大会で選ばれたのではなく、人民代表も真の選挙で選ばれたのではないためで、市長に責任を問うことができないのだ。でなければ彼らは中央政府や湖北省の指導者を恐れるのではなく、武漢市の有権者を恐れるだろう。中国の地方政治や選挙は20年前よりも悪化している。言論の自由がここ数十年で進歩があったとするなら【この箇所、第二段落と矛盾するように見えますが、「数十年」単位では「進歩」したが、ここ十数年、とくに習政権下では「退歩」したという意味なのでしょう】、選挙は70年間全く進歩していない。真の意味での選挙が行われなければ、政府は人民に責任を負うことなく、改革の逆行を防ぐこともできない。」

「さらには、宗教や信仰の自由が保障されれば、社会には危機に際して各種の救援活動が行われただろう。結社の自由は市民の自発的な組織を生み、社会の自己管理能力を高め政府の負担を減じ、危機に際して民間社会を動かし、政府の手が回らない隙間を補うことができる。中国は40年間の市場改革により、巨大な民間資源が生じた。2008年の四川大地震では、NGO(非政府組織)が大きな役割を果たした。だが近年市民社会の活動空間を狭める、流れに逆らう動きが出ており、『市民社会(原文は公民社会)』という言葉すらタブーになっている。今回の感染拡大で政府の対応がちぐはぐで後手に回ったのも、近年市民社会が深刻な圧迫を受けてきたことが原因だ。」


 これに習近平共産党政府はどう反論するのか? 記事の最後の方には、

 武漢市に単身乗り込んだ弁護士で市民ジャーナリスト、陳秋実氏が今月6日以降、音信不通となった。7日は陳氏の両親が青島市の公安当局から、「ウイルス感染により強制隔離された」と連絡を受けた。その後、携帯電話もつながらない状態が続いている。

 とあって、中国共産党特有のダークなやり方は相変わらずであるようですが、前近代的なその「無法国家」ぶりは中国が三流国家であることの何よりの証拠なので、それを世界に宣伝して回っているのと同じです。そしてそれは、中国政府言うところの「核心的利益」を何より傷つけている。香港問題でも同じですが、習近平政権が独裁的な性格を強めて、強権的にふるまえばふるまうほど、ほころびは拡大して、世界の信用を失い、民心も離反するという負のスパイラルにはまってしまうのです。習近平はこれで方向転換するのか、それとも批判を強引に抑え込んで墓穴を掘る方向に向かうのか、今後はその方面にも世界の目が注がれるでしょう。

再び「新コロナウイルス=人工説」

2020.02.16.09:26

「えっ、先生って、和歌山出身なんですか?」
「そうだよ。ものすごい山奥だけど、何で?」
「いや、何でもありません…」

 というようなやりとりが塾でこの前あったよなと思って、何でかなと思ったら、和歌山県有田の病院で新型コロナウイルスの患者が出たというニュースとあれは関係していたのではないかと思い、後で笑ってしまいました。塾の教師はしゃべるのが商売ですが、喉が枯れてコホコホしばらく咳が止まらなかったので、受験生たちは本能的に「ヤバい」と思ってしまったのかもしれません。しかし、僕はずっと延岡にいるのだから、別にそれで影響を受けているわけではないのです。あれも、しかし、最初外科医がかかったようですが、感染経路が全くわかっていない。言えるのは、東京や他県でもすでに患者はかなりの数出ているので、新型コロナウイルスは完全に「日本上陸」を果たしているということです。

 かかっても軽症だから、騒ぐには値しないと言う専門家が多いようですが、専門家というのもあまりアテにならないもので、僕らはそれを福島原発事故のときにこれでもかというほど思い知らされました。僕個人も医者の言うことが全くのデタラメだったという経験をしたことがある(「あんたは一生病人で、死ぬまでずっと薬を飲み続けなければならない」と脅されたにもかかわらず、薬も通院もすぐやめて、それから三十年たっても問題なく生きている)ので、「ははあ、今の学説ではそういうことになっているんですね」という程度の受け止め方しかしないのですが、下らない脅しは信じなければすむだけとして、これとは逆の「大したことない」が実は大嘘だったというケースは深刻なものなので、後で「医学の標準的なテキストには載っていませんでした」と言い訳されても、患者は困るわけです。

 次の記事はグーグルのニュースサイトの「ピックアップ」のところに出ていたから、非常に多く読まれている記事なのでしょう。この「大紀元」というサイトは中国共産党に敵対的なスタンスを取り、その闇を暴き続けているようですが、それはデマを流しているわけではなく、これまでのところ、正しい指摘が多かったようです(手段をえらばないあの独裁権力によく潰されないものだなと感心する)。この記事も、僕にはウイルス学の専門知識などないので、信憑性の正確な判断はできませんが、きわめてロジカルで説得力のあるものに思えます。

欧州のウイルス専門家、新型コロナウイルスに「消すことのできない人工的痕跡」

 要するに、今回の新型ウイルスは、当初武漢の海鮮市場から出たものだとされましたが、そことは無関係な人にも初期感染者が出ていたことから、同市にある管理が杜撰なウイルス研究所が火元ではないかと疑われ、この記事はその疑いに合理性があるとするものです。ポイントは次の箇所です。

 ある2本の論文は、新型コロナウイルスのスパイク・タンパク質にある4つの重要なアミノ酸残基が人為的に替えられたと指摘しました。4つのアミノ酸残基が替えられたにもかかわらず、スパイク・タンパク質と受容体の結合性に変化がないのです。1本の論文は、中国科学院パスツール研究所の専門家、崔傑氏が書いたものです。もう1本の論文は、インド工科大学のプラダン(Pradhan)教授らが執筆したものです。インドの研究チームは、新型コロナウイルスのタンパク質はHIVウイルスと酷似していると指摘しました。中国の研究チームは、新型コロナウイルスがACE2(血管機能に関わるアンジオテンシン変換酵素2)細胞受容体に結合して感染するとの見方を示しました。

 遺伝子の突然変異について、特にウイルスの遺伝子突然変異は一般的に、自然突然変異と言います。これは無作為で、いかなる機能性や目的性を持たないので、遺伝的浮動(genetic drift)と言い、ウイルスの自然的な再集合とも言います。しかし、新型コロナウイルスについて、われわれはこのウイルスが、受容体タンパク質の働きを保ちながら、正確に「異変」していることに驚いています。

 このウイルスはなぜ、その働きを保ちながら、正確に異変したのでしょうか。自然界では、このような現象はありますが、しかしウイルス研究者として、このような現象を目にする確率は非常に低いのです。だから、その2本の論文は、新型コロナウイルスが人為的に合成されたものだという仮説を唱えたのです。


「米国の科学者、ジェームス・ライオンズ・ウェイラー(James Lyons-Weiler)博士」はこう述べたという。

「なぜこのウイルス(2019-nCoV)の多くの遺伝子の中で、このタンパク質だけが配列が全く異なっているのでしょうか。これは全く筋道が通らないことです。他の場所から由来したとしか考えられません」

 要するに、遺伝子操作技術を使って「人工的に合成された」ウイルスである疑いが非常に濃い、ということです。

 ジェームス博士はその後、分子生物学のゲノム解析方法で、新型コロナウイルスのあの不自然なシークエンスを、非ウイルス由来のシークエンスと比較しました。この結果、博士は、SARSウイルスの再集合に必要なpShuttle-SNと呼ばれる特異の遺伝子配列に非常に近いと気づきました。Shuttle bus、シャトルバスをよく聞きますね。Shuttleは、定期往復便という意味です。遺伝子の研究では、Shuttleというのはある種を別の種に運ぶことを指します。遺伝子を運ぶ道具だと言えましょう。このpShuttle-SNを開発した実験室は、中国のSARS遺伝子ワクチンタンパク質を生成した実験室であります。

 ジェームス博士は、新型コロナウイルスが人為的に作られた生物兵器だとは思っていませんが、しかし実験室で行われた遺伝子組み換えによって、非常に危険なウイルスが合成されたとの見方をしています。研究員があるウイルスの一部の配列を別のウイルスの一部の配列に組み込んだことで、人工的な遺伝子組み換えウイルスを作り出したのです。このような人工的な遺伝子組み換えウイルスは、予想もしなかった毒性を持つようになるかもしれません。


 物騒きわまりない話ですが、要するに、疑われているのは「中国のSARS遺伝子ワクチンタンパク質を生成した実験室」だということです。中国発のあのSARSは世界を震撼させましたが、今度はそれを利用したとんでもないものをラボで人為的に作って、それが外に流出してしまったとなると、中国国内はもとより、世界中の人が激怒するでしょう。

 新型コロナウイルスのもう一つの特徴は、ヒトからヒトへの強い感染力です。このウイルスの潜伏期間に、他の人に感染する可能性があるのです。一般的なウイルス性伝染病の場合、症状が現れてから、初めて他の人に感染するのです。なぜなら、症状が出た時、体内にあるウイルスの毒性がピークになっているから、人にうつすことが可能です。

 しかし、新型コロナウイルスは潜伏期間内に他人にうつしています。公共施設にいる市民のなかに、誰がこのウイルスの感染者かを知る余地もないでしょう。だから、感染拡大防止に大きな困難をもたらしました。すべての人にウイルス検査を行うのは不可能だからです。

 新型コロナウイルスの致死率の高さにも注目しなければならないです。SARSが発生した当時は、致死率が9.3%でした。最近、医学誌「ランセット」で発表された論文は41人の感染者について調査を行い、致死率が15%だという見方を示しました。

 したがって、新型コロナウイルスの毒性が非常に強いとわかるのです。毒性は、ウイルスのタンパク質の機能と特性によって決められます。これが、私がなぜ新型コロナウイルスのゲノム配列をさらに研究する必要性を訴えるかの理由です。スパイク・タンパク質はこのウイルスの感染力を決めるのです。スパイク・タンパク質によってこのウイルスが人体の細胞に侵入するのです。だから、どのようなタンパク質がこのウイルスの毒性を生じさせたのか、どのように受容体、あるいは細胞に結合するのかなど、このような研究にさらに取り組む必要があります。


 詳しくは全文をお読みいただくとして、結論は、「中国で起きた今回の災難は、重大な人道的な災難だと言えます」ということなのですが、日本の多くの医学専門家はこういうのを「たんなる陰謀説もどき」と一笑に付すかもしれません。その根拠は、「まさかそんなことがあるはずはない」という非科学的な憶測にすぎなかったりするのですが、専門家というのはえてしてそういうものなので、彼らは概して独善的で、自分の「想定の範囲外」に出ることを嫌うのです。それは実際は効果が疑わしいとされる強力な抗癌剤を使った癌の標準的な治療(癌細胞だけでなく、健康な細胞まで攻撃するものが欠陥治療でないはずがない)をさも絶対的な、唯一の「正しい治療法」であるかのように言い張るのと同じです。

 話を戻して、この見立てが正しかったとして、中国共産党政府はその場合、国際的な非難の矢面に立たされることになります。それは「善意の」研究ではなく、危険な「生物兵器開発」とリンクした大失態であるとみなされるのは避けられないからです。それによって中国は世界中の人々に脅威を与えた。いくら世界第二位の経済大国になっても、やってることは北朝鮮以下だということになって、国際的な信用を一気に失う。それで亡くなった人たちは間接的な殺人の犠牲者だということになるからです。

 だから、善意の科学者、医学専門家たちがいくら真実を解明しようとしても、中国政府は巧妙にそれを妨害しようとするでしょう。アメリカ政府あたりも、ロクでもない生物兵器研究などをしているのは同じ(もう少しウイルス管理は厳格にしているとしても)なのだから、「明日はわが身」と、そこらへんは見て見ぬふりをして、いずれいったん終息はするだろうから、その時点でのわかったようなわからないような、中国御用学者のごまかしの説明を容認する。日本の専門家たちも、それが見抜けなかったのを糊塗するのには好都合だから、それは正しいものだとお墨付きを与える。今からそれが目に見えるようです。

 こういうのは、しかし、徹底的に究明してもらわないと困るので、中国共産党政府がやることには、今後そういう方面の妨害もないかどうか、細かく監視する必要があるでしょう。その結果、こういうのが「深読みのしすぎ」だったということもありえますが、その場合、そう主張する専門家たちには明確な論拠を示す責任が課せられる。上の記事に紹介されている研究からしても、それは「下衆の勘繰り」レベルのものではないことがはっきりしているからです。

新型コロナウイルスがあぶり出した醜い人間模様

2020.02.13.17:50

 一党独裁の中国の発表データは、経済指標でも何でも、信用できないとみなされていますが、今回のコロナウイルスの件でも同様で、「ほんとのところはどうなんだ?」と大方の人は思っているでしょう。中国国内でもそれに対する不満は高まっているようで、そういうのを意識してかどうか、新たにこういう発表がなされたようです。

中国湖北省の死者1310人、感染者4万8206人 計算方法変更で増加

 こういうのはあくまで「最低値」で、ほんとはもっとずっと多いのでしょうが、今回の件では“国際的な機関”であるはずのWHOでも、そこの事務局長がエチオピア人で、エチオピアは中国の投資でもっている(海外からの投資の85%を中国が占める)国なので、習近平のご機嫌を損ねてはいけないと「最大限の配慮」を行ない、ために緊急事態宣言の発表が遅れたと世界から疑われています。それはたんなる「疑惑」ではないでしょう。何でも、テドロス事務局長は中国の後押しのおかげで事務局長選挙にも当選できたのだという(以上、遠藤誉氏等の記事による)。それで「習近平のポチ」になっているわけで、機関の重要性に鑑みて、馬鹿馬鹿しいでは済まされない深刻な問題です。

 その中国、政治的言論の自由ゼロでも有名ですが、経済格差の甚だしさでも有名で、医療も「カネ次第」だという、次のような記事が出ています。

【新型コロナ】日本人の想像を遙かに超える中国の医療格差 「不老長寿」というまやかし

 記事に出てくる「富裕層専門病院」については、僕も前にドキュメンタリーで見たことがあって、いい気なものだと呆れましたが、ウイルスは当然ながら、人の貧富をえらばないので、ロクな医療も受けられず、ウイルスに感染しても治療を受けられず放置されている貧しい人たちが多いと、拡大は止められず、それは富裕層にも直接跳ね返ってきて、かえって事態を悪化させることになるわけです。記事には、

 中国の富裕層は、世界でもトップクラスの金持ちになった。今や“モノ”で満足することはない。
「マンション価格や株式市場の下落を、中国共産党は必死に買い支えています。貧困層が共産党に反旗を翻しても、幹部連中はそれほどの恐怖は感じないでしょう。しかし、もし中間層や富裕層が党に逆らう事態になれば、中国共産党は大打撃を受ける可能性があります。そのために党幹部は、不老不死という新しい夢を国民に提示したわけですが、今回のコロナウイルス騒動で中国の医療制度がどれだけ脆弱かを示してしまいまいました。これを中間層や富裕層がどう受け止めるのかは未知数で、これを今後、ウオッチする必要があると思います」(同・報道関係者)


 とありますが、そもそもの話、自分たちの健康さえ守ればいいという中国富裕層がジコチューそのもので、それが危うくなったから共産党政権に反旗を翻すということ自体、ジコチューの結果でしかないので、その結果がどうなろうと、そういう国に明るい未来はないでしょう。共産党幹部と富裕層は所詮「同じ穴のムジナ」でしかないわけです。

 そのあたり、アメリカなどでも事情は同じで、政権が共和党だろうが民主党だろうが、それが「ウォールストリート政権」であることには変わりがなく、政治権力を政治資金で操る業界団体、既得権益層に好都合なように税制も経済システムも作り替えられてしまった。だから経済成長の果実は、1%、0.5%、0.1%(上に上がるほど、資産増加率は高くなっている)に全部吸い上げられ、労働者の実質賃金はひたすら下がり続けるという悲惨な結果となり、「中間層は没落」したのです(オバマ・ケアも骨抜きにされて、アメリカにはいまだにまともな国民的な健康保険システムがないのは周知のとおりです)。収奪可能なフロンティアが消滅すれば、内部にそういう格差を作り出してもうけを増やすしかなくなるわけで、これは資本主義が行き着く終末的な光景です(戦争も新たな金儲け手段の一つとして渇望される。イラク戦争がその一例です)。

 ところが、ウイルスのようなものが出てくると、人間世界のそうした格差にはお構いなしだから、それによって生じた医療システムのひずみがあだとなって蔓延が食い止められなくなるという皮肉な結果となる。WHOのような国際的機関まで、中国に買収されたも同然になっているのだから、何ともはや、です。

 新型コロナウイルス=生物兵器説は下火になっているようですが、見方によっては、あれはパンデミックをひき起こすには好都合にできています。潜伏期間が長く、かつその期間でも感染し、軽症者はわからないからそれと認知されず動き回って、感染者を増やす。そうしてどんどん増えて行ったある時点で致死率の高い強力なウイルスへと変異するという性質のものをもし人工的に作り出すことができれば、それは恐るべき「大量破壊兵器」となるでしょう。自分たち用だけにワクチンを開発して用意しておけば、それは兵器として使えるわけです。こう言えば、専門家たちは笑うでしょうが、それが技術的に可能になりさえすれば、上に見たような今の人間のジコチューぶりからして、やらかさないという保証は何もない。あるいは、ウイルス研究所に勤める、カルト的な終末思想にかぶれたマッド・サイエンティストが、「人類は絶滅させるべきだ」と考えて、そういう破壊的なウイルスを開発、持ち出して、空港などでばらまく。テリー・ギリアム監督の映画『12モンキーズ』の悪夢が現実となるのです。

 一方、地球温暖化や環境破壊は容赦なく進行する。昨日、こういうニュースも出ていました。

「昆虫50万種が絶滅の危機に」 科学者ら警告

 これ、ものすごく深刻な問題ですよ。前から言っていますが、このまま行けば今の文明は百年ももたずに崩壊する。昨日、塾の生徒たちの入試用英作文の添削を返却していて、ある生徒の過去問の課題は、「地球温暖化を食い止めるための自分のアイディアを書け」というものだったのですが、文法的なミスが多く、書き直すよう指示したのですが、生徒と話をしていて、その理由がわかりました。彼は書こうとして、「ほんとはこんなのはどれも問題の解決にならないんじゃないか?」」と思ってしまったのです。そう思いながら無理に書こうとしたものだから、文もおかしくなってしまった。こういうのは、言い訳でなく、実際そういうことはあるもので、日本語の小論文でさえ、納得が行かないまま書き出すと「てにをは」がおかしくなって、論理展開も支離滅裂になってしまうということが起きる。英文ならなおさらです。スーパーで買い物をするとき、買い物袋を用意して、ビニール袋の消費を減らすとか、そんなもの、ほんとはただの気休めでしかないわけです。彼はそう感じていて、それは尤もなことなのです。しかし、いいアイディアが浮かばない。

 それで話をしていて、結局のところ、先進国の無駄が多すぎる生活水準を下げて、シンプルな生活にして、エネルギー、モノの消費量を大幅に減らすとか、国連などでも足並が全く揃っていないので、事態の深刻さを認識して、世界の協力体制を整えるなど、そういう大きなところから変えないとどうにもならないだろうという話になりました。アメリカみたいに石油メジャーの言いなりに、「温暖化問題は存在しない」なんてアホなことを言う政治家は選挙で落として、スポンサーの言いなりにいい加減なことを言ったり、したりしている政治家は選挙でも勝てないように仕向ける。中国みたいな独裁国ではそれは無理ですが、それでも国際的な非難の矢面に立たされれば、面目は潰れるので、それを恐れるようになる。だから、国際的な協力を求めるいわゆる「草の根」の運動は大きな意味をもつだろう。そういう話になって、実際グレタさんのような十代の声が影響力をもち始めているのだから、そういう方向で書けばという話になったのですが、こういうのはもはや小手先の対応ではどうにもならないレベルになっているのに、いわゆる既得権益層が術策を弄して妨害し、それにいいように操られている人もたくさんいるのです(ついでに言うと、あの悲惨な福島原発事故にもかかわらず、原発はCO2を出さず、クリーンだからいいなんてボケたことをまだ言っている人がいるのには呆れます)。

 今は何かと言えば「経済が…」と言いますが、先に見たように、人間社会内部でさえそれはいびつな、偏頗なものになっていて、自然全体との関係で考えれば、経済システム全体がそれから遊離した、対立的なものになっているのです。それで自然を破壊してしまえば、自然の恩恵を失って経済は崩壊するしかなくなる。これはかなり頭の悪い話ですが、ジコチューの賢い人なんて世の中には存在しないので、それで人類がこの先悲惨な状況に陥っても、それは全くの自業自得でしかなく、地球史に「最も愚かな生物」として記録されるだけになるでしょう。忍耐の限界に達した自然は、ひょっとしたらそのうちかつてなかったほどの凶悪なウイルスを生み出して、この傍迷惑な住民を根絶しようとするかもしれません。それもありそうな話だと、僕は思っています。

倍率が高くてビビったという人に

2020.02.07.17:22

 今はインターネット出願がふつうになって、願書締切日の翌日には倍率も確定するので、味けないといえば味けないが、便利と言えば便利です。尚、次の駿台のサイトは親切です。

2020年度 主要大学入試出願状況

 僕はこれで生徒たちの志願先の倍率を見て、ひとりで「よしよし」とか、「ヤバいな…」とか言っているのですが、予備校の事前の「動向分析」とは、そういうのも見て受験生は志願先を決めるので、実際はかなり違ったものになることが多い。「激戦になる」と書かれると、それを避けて平凡な倍率になったり、「指数が大きく下がっている」と書かれたりすると、逆に前年並に戻したりするので、前に「高倍率になる」と書かれて、生徒が「どうしましょう? ヤバくありません?」と言うので、「大丈夫、予備校のあの予測のおかげで減るから、そのままにして変えないようにした方がいいよ」と言ったら、そのとおりになったというケースがありました。今年も、リサーチの成績分布を見ると、センターの平均点が20点前後下がったにもかかわらず、上位層が多く、ボーダーが全く変わっていない某有名大の学部があって、不気味そのものだったのですが、結果として倍率は前年度より下がったので、生徒と「ラッキー」なんて言い合ったのが一つあります。むろん、そこをやめて他の学部にしたとか、志願先の大学を変える受験生がかなりいたとしても、「少数激戦」であることはたしかなのですが。

 今は私立ですら「記念受験組」が激減しているので、それで倍率が高いと、かなりしんどいことになります。昔は、実質倍率が10倍を超えても、受かる可能性があるのは3倍ぐらいまでで、あとは「お客さん」という感じだったのですが、今は事情が違うので、私立も例の「定員厳格化」で合格者数を大きく減らしているから、なおさらのことです。

 国立の場合は、学部によって都会の有名私立に流れてしまうので合格者を少し多めに出すというところは結構ありますが、医歯薬系などはとくにそういうことはほとんどないので、そのままの倍率になって、こういうのはほんとの「激戦」になってしまう。合格最低点が確実に上がることになるのです。

 今年は二転三転したおかしな入試制度いじり(結局、実態は今の時点でもわからない)のおかげで、浪人回避心理が例年にも増して強く、非常に読みにくかった年ですが、発表された倍率を見ても、受験生の不安心理が反映され、予想以上に高倍率・低倍率が入り混じっている印象です。国や文科省も罪作りなことをしてくれたもので、その責任は感じてもらわないと困ります。

 何にしても、結果は「二次の出来次第」ですが、倍率が高いとハードルがその分上がることは確かなので、国立で倍率が4、5倍を超えた受験生は、掛け値なしの「厳しい戦い」を強いられることになるわけです。まあ、倍率2倍でも、半分は落とされるのだから厳しいのは同じですが、倍率が高いと確実に最低点が上がるので、いつもなら滑り込めていた受験生もハネられてしまうというシビアな現実があるのです。1点、2点の重みがあらためて痛感されることになる。

 しかし、「まさかの高倍率」になってしまった受験生も、これは自分の「運命」だったと観念して、残る2週間余り、ベストを尽くすしかありません。そして、自分にできる最高のパフォーマンスができれば合格できると信じる。「こりゃあ、無理だわ」と思って気が抜けてしまうと、その時点で戦いから脱落してしまうのです。

 入試には「執念の勝利」というのが実際にあって、これは去年のケースで、私立を第一志望にしていた生徒の話ですが、東京のある老舗女子大の生活科学部(管理栄養士のコース)というのに固執していて、栄養学関係では他にも評判のいいところがいくつもあるから、そちらも受けたらとアドバイスしたのに、ほとんど受けなくて、失敗してしまった生徒がいました。直前にマンツーマンでやってほしいというので、そうしたのですが、なぜか合格最低点が異常に高くて、英数2教科で受験でき、数学は他の塾に行っているが、そちらは苦手で得点が期待できないので英語で何とかしたいということだったのですが、数学でどれくらい取れそうかと聞いて計算してみると、英語で最低8割5分は必要になるということになって、これはちょっと厳しいのではないかと思われました。そしたら、果たしてその通りになって、他の僕が「お勧め」として教えたところは実は受けていなかった(がーん!)ということで、一気に暗雲が垂れ込めたのですが、心配になった僕は本屋で「今からでも出願できる大学特集」が載っている週刊誌を買って候補の大学に赤ペンでマルをつけ、本人を呼んで渡しました。わけのわからない大学(こう言えば失礼ですが)には行かせたくなかったので、「このあたりまでなら許容範囲」というところだけ印をつけたのですが、3月の国立前期発表の頃、電話がかかってきて、「受かりました!」と言う。どこに受かったのかと聞くと、その第一志望で、コースも希望通りのところだったというのです。何? 後で知ったところでは、僕が印をつけたところは一つしか受けておらず、懲りずに最後の第Ⅲ期で同じところを受験していたのです。後で調べてみると、合格者は2人しかいなかった(倍率は6.5倍)。ふつう、募集人数が多いⅠ期(こちらは3倍台だった)で落ちたのなら、高倍率になる最後の回期はなおさら無理です。大学のランクを下げるか入りやすい学科に変えるしかない。なのにまた同じところを受けたのかと、僕は呆れましたが、それに合格していたのです。

 可笑しかったのは、電話の背後からその子のお母さんの雄叫び(そういうキャラの、明るい人でした)が聞えていたことで、後で挨拶に見えたとき聞くと、家族も到底無理だと思ったが、本人が頑として聞かないので、仕方なく受験させたという話でした。「でも、今度は、英語もほんとによくできていたんですよ」という話でしたが、受験戦略上、無茶苦茶な話です。おじいちゃんおばあちゃんも「あんなに行きたがっているのにもどぎー(方言で「むごい」「かわいそう」の意味)」と言っていたそうなので、そういうのに加えて、ご先祖様の霊が助けてくれたのではないかと僕は冗談を言ったのですが、ふだんおとなしい子なのに、なぜかそこだけは決して譲らなかったのです。お母さんは、この話を「遠慮なく書いてください」と言っていましたが、生徒にそんな受験ばかりされたのでは僕の神経はもたなくなってしまうので、そうそう話したり、書いたりできるものではない。しかし、実際にそういうことはあったので、悪条件でも強い意志が合格を引き寄せるということはあるのです(むろん、学力を上げる地道な努力は必要なので、念力だけでは無理ですが)。

 ということで、倍率が低いからと言って油断してはいけませんが、高くても諦めずに粘れば運命の女神が微笑んでくれることはあるということです。体調管理にも気をつけて、もうしばらくの間、受験生は心を強くもって頑張って下さい。

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